2006年12月17日 (日)

平成18年二次試験 事例Ⅲ

引き続き、事例Ⅲ。国内で低コスト・短納期でめっき加工を行う中小メーカーのお話。受験校によっては”めっき加工”が馴染みがないから苦労した受験生も多いのでは、といったコメントが見受けられましたが、経験のない業界であっても経営の本質から的確に分析・判断する事が経営コンサルタントの真骨頂だと思うのですが、やはり皆さん苦労したのでしょうか?

第一問

(1)全自動ラインの導入によって低コストと短納期を実現したこと。

(2)得意先を開拓し、特定企業の依存度を下げ収益面を改善したこと。

・・・(1)に”亜鉛めっきに絞った単一加工”という面も盛り込めばよかった。ただ、2点挙げよ、と言う場合はそれぞれ別の角度から延べるのが鉄則であるので、生産面と販売面で記述したので良しとしよう。

第2問 プラスの影響としては売上高の増加が期待できる。一方マイナスの影響として、①特定企業への売上高依存度が高まり、当該企業の経営方針や業績に左右される、②さらなるコストダウン要請が高まる、といったリスクが増大する。

・・・単に”影響”とあったので、マイナスのみが思い浮かべがちですが、あえてプラスも盛り込んでみました。本日読んだ本(製造業崩壊 苦悩する工場とワーキングプア)にも、特定企業に依存する危険性が生々しく書いてありました。

第3問 強みである低コスト化と短納期のさらなる強化を図るべきである。具体的には①手作業工程の効率化を図る、②納品された加工品を即日ライン投入し、3日以内の納期100%を実現し、取引先企業の取引維持・拡大を図ってゆくべきである。

・・・ 環境技術対応は第4問で述べるので、ここでは生産面の改善についての記述しました。”3割は納期が4日以上かかっている”について、クレームまで至っていないから特に問題なし、という意見もありましたが、自分としては短納期に磨きをかけることが競争力強化に繋がると判断しました。

第4問 環境配慮型企業への転換を図り、さらなる取引拡大に向け、早急に技術開発体制の強化を図ってゆくべきである。具体的には技術開発人員を専任とし組織として独立させ必要に応じて増員を図るとともに、公的試験研究機関との連携を強化してゆくべきである。

・・・ あまり特殊なことや専門用語は用いず、まずは兼任を専任に、そして組織化することが要諦と考えました。組織を変えるということは、経営者の意思表示として、一番はっきり伝えられる手段であると考えたからです。

第5問 ①各納入先と本社工場および地方工場までの住所を登録する。②本社に集約されている受注書をデータ化すると。③各工場の人員負荷状況や生産スケジュール、原材料在庫情報を管理することで最適な生産場所の割り振りを行う。

・・・ 本社と地方工場間が80kmということで、どちらで加工するかの判断材料の基礎として住所と記述しました。もっと突っ込んで、両工場までの”所要時間”と書けばよかったかな?人員状況に加え、”めっき液”なるものがあるとあったので、これらの在庫状況が判らなければ納品したはよいが滞留がありうるのでは、と考えました。

2006年12月16日 (土)

平成18年二次 事例Ⅱ

昨日に続き、本日は事例Ⅱ。中堅テニススクールの現状のマーケティングの分析と新規事業の可能性について

第1問

(1)全事業所を最寄り駅から徒歩5分以内への立地を実現した。

(2)優秀なインストラクターによるサービスの提供とその育成支援。

(3)少人数制やレベル別クラス編成レッスンによる顧客満足の提供。

(4)様々な会員割引やイベント企画運営を通じた顧客固定化策。

・・・あとから考えると、 ”屋内コート”の良さ(冷暖房完備など)を見落とした気がします。ハード面と言う切り口から(1)に盛り込むのが良いかな。

第2問 

レッスン空き時間におけるレンタルコートの提供や事業所をまたいだレッスン受講制度を導入し、稼働率向上を実現している。

・・・補助インストラクターによって需要増の場合の対応している、という着眼点を見落としました。

第3問

(1)有形資産

全事業所が最寄駅から徒歩5分以内に立地しているということ。

講師としての力量を備えたアルバイト学生を確保していること。

生徒募集に活用可能な顧客データを既に豊富に有していること。

・・・教室に転換可能な設備や、料金引き落としのノウハウなども考えらましたが、競争優位を作り出せる資産、という観点から上記3点を選択しました。

(2) 無形資産

スクールやイベントの企画運営ノウハウを有していること。

地域に根ざした事業活動を通じ、知名度を確保していること。

レッスンやイベントを通じ構築した親子との信頼関係があること。

・・・知合いで幼稚園に勤めていた子がいましたが、親に対する信頼感、それが口コミで地元の評判に繋がる、という話も聞いた事があります。知名度、さらに地元における信頼感は重要であると考えました。ただ、2番目と3番目はやや切り分けが不十分であった、という気がします。

第4問

(1)本人・家族によるテニススクールとの共通受講割引サービス実施。

(2)テニススクールでのノウハウ活用による合宿集中レッスン等の実施。

(3)生徒間や講師との情報交換・アドバイスのためのブログの活用。

・・・当日こう書いたかは、今となっては不明です。

第5問 保育施設サービスを事業化することが考えられる。既に存在する託児ルームを活用できる上、テニススクールに通う母親をターゲット顧客として取り込む事が可能であり、テニススクールとの相乗効果が期待できるため。

・・・ 多くの模範解答が”託児所”という表現を使っています。”保育施設”はこれとほぼ同義、とみなしていただけたのでしょう。そのほか、インターネットカフェや最近流行のマッサージなども考えましたが(パソコン教室と考えた人も多いようです)、個人的にこだわったのは親子、特に母親を取り込む事がより相乗効果が高い、と考えました。日頃から”奥様”をターゲットとした事業活動・音楽活動を行っている私個人に合致した題材であったといえましょう。

問題・解答例はこちら↓

http://www.tac-school.co.jp/sokuhou/chusho/chusho0610.html

 

2006年12月15日 (金)

平成18年二次試験 事例Ⅰ

事例Ⅰは組織・人事に関する問題。化学品メーカーを親会社に持つ化学品商社が対象企業。

第1問

(a)子会社であることの強みは、①親会社の事業拡大や企業グループの再編によって着実な事業基盤の確立が実現できること、②取締役クラスの人材を受け入れることによる、マネジメントシナジーが享受できる点である。

・・・売上の拡大や業界情報が得られるといったことも特記できるでしょうが、それらを”事業基盤に確立”でまとめ、与件にある代表取締役をはじめとした取締役の人材受入れが組織体制に確立と言う点で重要であると判断しました。

(b)子会社であることの弱みは、重要な意思決定については親会社の意向に左右されることである。特に代表取締役が親会社からの転籍者であることや給与水準が親会社より低いことは社員のモチベーション低下に繋がる。

・・・単に親会社からの社長であるという事実や給与水準外低い、という事実を文中から拾い出すだけでなく、それがモチベーション低下につながる、と一歩踏み込んで弱みとみなしました。

第二問

(1)海外の営業拠点を現地の情報収集拠点として活用し、委託コーディネート事業の拡大を図るべきである。具体的には、国内外の取引先の生産動向や技術動向を把握し、廉価品や環境化学品等を適宜組合わせ提案をしてゆく。

・・・文中から”機会”を拾い上げ、単に商品を横流しをするのでない高付加価値化を図るような意味合いで文章を、結論・その具体的内容と言う形で組み立てました。が、とにかく材料を拾って並べた、という感じもいたします。

(2)今後伸張が期待できる消費群や事業・営業拠点への経営資源の重点的な投入を図ってゆく。具体的にはファインケミカル品・環境化学品の取扱い強化や、国内営業拠点の整理統合と海外営業拠点の補強が考えられる。

・・・”事業の集中と選択を進めている親会社の動き”を意識した今後の事業展開の可能性を述べよ、という抽象的な問いでした。直接的な影響と言うより、親会社同様、集中と選択を進める、という着想で解答しました。

第三問

(1)現在の組織におけるデメリットは、A社の考えるビジネスモデルの構築が困難であることである。理由は営業エリア別組織と商品群別組織が混在しており部門を越えた意思決定や情報共有が困難であるからである。

(2)商品別及び営業別組織の統括責任者を据えることで、情報の共有や横断的な意思決定を図る。これによって各エリアの顧客が求める最適な製品やコーディネート事業における提案力の強化を実現できるからである。

・・・ここはどれだけ評価されたのか不明です。各受験校とも意見が分かれ、商品別組織が良い、顧客別組織が良い、いやマトリックス組織だ、と入り乱れています。それだけいずれも決定打に欠けるという気がいたします。どう区切っても縦割りが生じるのであれば、しっかりとリーダーを据えることが大切、と思った次第です。

第4問 A社における再雇用制度導入のデメリットは、A社の若返りが阻害され保守的な文化が残ることで新たなビジネスモデルの構築に支障が出ること、また退職金給付による一時的な財務負担が生じることである。

・・・”平均年齢が43歳”と新しいビジネスモデルへの脱皮、という与件から前半が導かれます。あまり一般論に目を奪われるのはよくない、と言われますが、”定年延長”でなく”再雇用”とわざわざ書いてあるので、後半にはそのデメリットも明記しました。

問題・解答例はこちら↓

http://www.tac-school.co.jp/sokuhou/chusho/chusho0610.html

平成18年度二次筆記試験を振り返って

今更ながら、中小企業診断士試験、二次筆記試験の再現答案の記述を試みる。

合否の案内と、不合格者には各事例の判定(A~D)が出るようだが、どこで加点されどこで減点されたのかは判らない(計算問題はともかく)。したがって、合格したはずが不合格と落胆する者もいれば、不合格だと思っていたら合格していた者もいる。幸いなことに私は後者に属する事が出来た。しかも、各種受験校で”例年より易しい”とされた事例Ⅳの計算問題大部分が不正解であったにもかかわらず。今年度は前回よりも約100名多い合格者(806名)であり、多分私はその下のほうではあるとは思うが、それでも合格ラインに達したということで、自分なりに何が良かったのかを振り返ってみたい。

今後誰がここを訪れるかはわからないが、何かしらの参考になれば幸いである。同時に、自分の至らなかった点を指摘していただけることも歓迎したい。改めて自分として良かったと思う点は、

①付け焼刃の専門用語や3文字アルファベットは使わず、地に足の着いた提案や問題点の指摘を行った。

②なるべく複眼、多面的に捉えることを試みた。

③与件から想定される対象企業の制約条件や今後の方向性を見極め、飛躍しすぎない解答を心がけた。

といったところだろうか。

では次回から、各事例の再現答案を作成し、個々に振り返ってゆきたい。

ちなみに問題や解答例はこちら。

http://www.tac-school.co.jp/sokuhou/chusho/chusho0610.html

2006年12月 4日 (月)

中小企業白書

は、中小企業診断士の試験において重要らしい。

”らしい”、と書くのは、今回の試験勉強においては、ロクに白書を読んでいないなかったからだ。一次試験の科目の一つである『中小企業経営・中小企業政策』については、TACの参考書を購入して勉強はした。しかし白書は買うだけ買って、読まずに終わってしまった。ページ数が多い上に、お役所の書いた書物ゆえに、イマイチ面白みに欠けるからである。

その後の色んな情報を見聞きしたところでは、二次試験においても白書は読んで置いた方がいいらしい。よし、騙されたと思って勉強してみよう。といっても白書そのものではなく、「日本マンパワー」から出された『中小企業白書の概要』をテキストとして。なぜならページ数が少ないから。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4822002128/sr=1-2/qid=1165234272/ref=sr_1_2/250-9606872-3561047?ie=UTF8&s=books

それはそうと、合格発表もされていないのにTACから合格祝賀パーティの案内が来た。模擬試験やら直前ゼミの受講を通じて、私が個人情報を提供したからだろう。しかし会場は、東京・大阪のみ。名古屋はないのか・・・。来年は参加してみようかなー。

試験勉強開始

本日より、来年の中小企業診断士試験合格に向けて、本格的に試験勉強を開始した。

今年は何とか一次試験に合格、二次試験の合否発表はまだではあるが(12/8発表)、合格の可能性は限りなく低い事から、来年合格に向けて早くも始動したと言う訳である。一次試験合格者は、来年に限り一次試験は免除されるが、今回二次試験が不合格だとまた初めからやり直しになってしまう。一次試験の膨大な暗記すべき項目を考えると、何とか次回には二次試験を突破してしまいたい。確率論で言うと、約15,000人の受験者数に対し合格者数は毎年700人弱、わずか5%未満の狭き門ではあるが、確率論ではなく実力さえつければ合格するわけなので、何とか実現してゆきたい。

手始めに開始したのが、一次試験の過去問題。二次試験ではそんなに細かな知識は問われず、その応用力が問われるのだが、そうは言ってもやはり基礎が大切、ということでここから始める事に。ただし経済学・法務・中小企業政策は直接関係なさそうなので除外、それ以外の科目について一通り回答してみた。結果は以下のとおり(正答数/問題数)。

企業経営理論:67点

財務・会計:76点

運営管理:46点

新規事業開発 :75点

経営システム:57点
一次試験では、平均60点以上で合格、ただし40点未満が一つでもあると不合格(60点以上の科目についてのみ合格)。細かな知識・暗記力が問われる問題はともかく、初めて解いた問題の割りに意外と出来たな、というのが率直なところ。二次試験の勉強を通じて、基本的な理解度は高まった、というところだろうか?まあ、安心ばかりしていられないので、解説をしっかり読み込んで、しっかりと自分のものにしてゆこう。

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