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2011年5月10日 (火)

「牛トレーサビリティ法」は形骸化?

 全国をにぎわしている「ユッケ食中毒事件」、捜査の進行とともに焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」のみならず、 食肉加工卸業者「大和屋商店」の悪質性も浮かび上がってきている。

『ユッケに「生肉向けでない」廃用牛の肉』

 焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件で、客が食べた生肉のユッケに業界で生食向けでないとされる出産を繰り返した「廃用牛」が含まれていたことが9日、読売新聞の調べでわかった。

 卸元の食肉加工卸業者「大和屋商店」(東京・板橋区)が先月11~16日に加工し、死亡した客4人を含む患者が食べたとみられる14頭の牛に含まれていた。大和屋は、えびす側に「ユッケ用のサンプルができました」「和牛の血統で味があります」と品質を保証するメールを送っていた。(後略)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110509-00000639-yom-soci

『焼き肉チェーン集団食中毒 卸業者、事前に社内で試食会 店側には「生食用」として提案』

(前略) 1日、FNNの取材に対し、大和屋商店は「わたしたちが売っていたのは、生食用じゃないですね。生食されるかどうかは、お店側の問題」と、生食用として販売していなかったとしていた。

 しかし、その一方で、大和屋商店の役員と同姓同名の男性が、ネット上で「どこにでもある商品ですが、価格で勝負します。赤身率が高く、ユッケやロースで使用できます」と、ユッケに使える肉として、もも肉を販売していた。

(中略)2009年に、大和屋商店から焼き肉チェーン店を運営する「フーズ・フォーラス」に送られたというメールには、「ユッケ用のサンプルができました。歩止まり100%で無駄がありません」と書かれていた。
捜査本部では、こうした説明から、店側が、肉の周囲をそぎ落とす「トリミング」をしなくても、ユッケ用として使えると判断したことが、今回の集団食中毒につながった可能性もあるとみて、調べを進めている。 (後略)

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20110509-00000042-fnn-soci

 こうして、食の安心・安全に対する配慮に欠けた卸売業者と飲食店同士が、コスト優先というお互いのメリットで合致して結びついた結果、悲劇が起こるべくして起きてしまった、というのが今回の事件といってよい。

 両社とも悪いのは言うまでもない。

 しかし、BSE発生以降の2003年に「牛トレーサビリティ法」が策定され、生産段階から流通段階までトレーサビリティ(足跡が把握できること)の仕組みが確立していたにもかかわらず、こうした事態が起きてしまったのはなぜだろう?

参考)『牛トレーサビリティ法』

http://www.nn-ishida.co.jp/traceability/p1.html

 今回の菌混入と、「廃用牛」使用との因果関係は今のところ不明だが、少なくともこのような重大事件が発生して初めて「食品偽装」が発覚するということは、果たして行政の監督は適正に行われていたのか?、その点も問われなければなるまい。

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