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2011年1月16日 (日)

2011年は「家電王国」崩壊元年!?

 少し前の話だが、1月6日(木)から9日(日)にかけて、コンシューマ・エレクトロニクス分野では世界最大の見本市である、「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」が米国にて開催されていた。

 私は現地に行ったわけではないが、様々なレポートやコラムを読む限り、日本メーカーの存在感が薄くなり、代わって韓国や中国メーカーが台頭という現実は、ますます顕著になってきているようだ。

 たとえば、中国のPCメーカーであるLenovo(レノボ)、キーボードの装着すればWindowsのノートPC、外せばAndoriodタブレットというユニークな製品を発表して、注目を集めた。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/20110111_419512.html

 台湾のPCメーカーであるASUSTek社は、CEOのジョニー・シー氏自らがプレゼンテーションし、自社の躍進ぶりや新製品である3種のタブレットをPR。

 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/20110105_418041.html

 韓国のSamsung(サムスン電子)は、3Dテレビや同社のスマートフォンブランドであるGalaxyの新製品など、注目のジャンルの製品を中心にブースを展開。

http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20110109_419472.html

 これに対して、迎え撃つ日本勢はどうか、小寺信良氏は現地を視察したうえで、以下のような感想を述べている。

 以下、同氏のレポート『【CES】2011 CESでわかったいくつかの事実 ~ 日本はAV機器No.1の座を守れるか ~』から抜粋。

http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/zooma/20110113_419910.html

 「初日と2日目は、日本メーカーが多く出展するセントラルホールを中心に取材したのだが、人の流れが明らかに変わった感じがした。いつもどおりPanasonicやSONYが会場のいいポジションを締めているにも関わらず、初日はSamsungとLG電子の韓国企業ブースに人が集中していた。

 (中略) すなわち米国消費者にとってプライオリティが高いのは、もはや韓国企業であるということのようだ。」

 少なくとも、米国においては日本メーカーより韓国メーカーの存在感が高まっていることは明らかなようだ。これについて小寺氏は、以下のような分析をしている。

 「韓国メーカーは、技術的にイノベイティブな部分はそれほど多くないが、日本メーカーがやってきた数々のトライアルのおいしいところをまとめて、「要するにこういうことだろ」という製品を出して売り上げを稼いでいる。いわゆる2ちゃんねるよりも2ちゃんねるまとめサイトのほうが効率よく儲かる理屈と同じである。」

 つまり、「技術そのもの」よりも、「その技術を使っていかに市場(マーケット)に展開するか」が、勝敗の分かれ目になるということである。

 これに対して、日本メーカーはどう対抗しようとしているか?その代表選手であるパナソニックの大坪文雄社長は、インタビューでこう答えている。

http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/ce/20110110_419517.html

 「(サムスンやLG電子が存在感を増していることに対し)基本的な技術開発で負けたわけではないのですから、その点では悲観していない。だが、事業化、製品化の技術力に対しては強い危機感がある。」

 「韓国メーカーは、新興国だけでなく、先進国を含めて、世界中の市場のことを本当によく調べている。そういう情報に基づいた商品をうまく作る技術では、我々の上をいってしまった。」 

 技術では勝っているが、(少なくとも現時点では)事業では負けているということを、率直に認めてはいるようだ。しかし話が3Dテレビに及ぶと、また風向きが怪しくなる。

 「昨年のCESで、パナソニックは3Dテレビを発表し、それ以来、3Dテレビの画質はパナソニックが最高であるという圧倒的な評価を、各方面からいただきました。ですから、「3Dテレビの最高画質はパナソニックである」というイメージは絶対に維持しなくてはならない。」

 と、あくまで「世界最高画質」を維持し続けることを譲れない目標とした上で、

「画質の観点から、「パナソニックが出すグラスレス3Dテレビはこれだ」といえるタイミングが訪れた時こそが、当社のグラスレス3Dテレビへの参入時期。」と答えている。

 そもそも、「3Dテレビは本当に普及するのか?」という命題に対し、私は疑問を投げかけているし、前述の小寺信良氏も上記リンクのコラムで述べている。

 少なくとも、装着が煩わしくコスト負担にもなる3Dメガネを必須として、3Dテレビが普及することは考えにくい。にもかかわらず、「最高級品質を追い求め、市場投入が遅れる」という失敗を、パナソニックはおかそうとしている。

 たびたびこのブログでも紹介している書籍、「技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか」にもあるように、

 「従来は「インベンション(発明)」×「イノベーション(新価値の創出)」であった。これからは、「インベンション(発明)」×「イノベーション(新価値の創出)」×「ディフュージョン(普及)」である。」

 という考え方にのっとり事業展開を行わないと、厳しいグローバル競争下では勝ちぬいてゆけない。

 「最高品質にこだわるあまり、市場投入が遅れる」、これが要因で日本は「家電王国の座」から引きずりおろされることになってしまうのか?健闘を期待したい。

参考ブログ)

2009年8月15日 (土)  『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか』-2

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-3593.html

ブログでは引用しなかったが、こんな刺激に満ちたレポートもあった。

『日本からテレビメーカーがなくなる日 「内外価格差」で生き延びてきた日本メーカー』

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5182 

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