東国原知事の静かなる抵抗Ⅱ
法律と言う枠組みを十分に尊重しつつも、宮崎県の、いや日本国における畜産業の「非常事態」ということを踏まえ、「超法規的措置」によってエース級種牛6頭を隔離を断行した東国原知事。
そうした必死の努力もむなしく、そのうちの1頭の感染が発覚した。経緯から考えると、隔離を実行する前に既に感染しており、潜伏期間を経て一昨日に感染が発覚したと考えるのが妥当だろう。
そんな東国原知事や宮崎県の関係者に対して、心ない言葉がなげかけられているようだ。本日の東国原知事のTwitterに、こんな書き込みが見られた。
http://twitter.com/higashitiji
「種雄牛の移動についても、様々なご批判があるが、家伝法による移動禁止規定の中で、国に掛け合い、特例措置を認めて頂き、検体による入念なチェック、受け入れ地の選定や清浄化移動など、最良最善の策に全力を尽くした。しかし、忠冨士は守れなかった。本当に残念でならない。言葉も無い。」
「確かに、法に特例措置や例外規定を設ければ、結果的に、その法はザル法になってしまう恐れがある。平等性の確保の問題もある。しかし、本県種雄牛・畜産の壊滅の危機なのである。本県だけで無く、本県から子牛を出荷している30を超す都道府県の問題でもあるのだ。 」
東国原知事がキレてしまった例の記者会見で、挑発した記者は「知事のリーダーシップ」という言葉を用いて、しきりに「超法規的措置」を行うようけしかけている。
しかし、「予防的殺処分」というのは、健康な牛や豚という農家の財産を侵すこと。また、「種牛だから優先的に隔離」というのは家畜伝染病予防法を犯すことにもつながりかねない。
だからこそ東国原知事は、現行の法律を十分尊重しながらも、「非常事態」における最低限の「特例」、「超法規的措置」の実行を、国に提案していた。
※動画の5分過ぎに注目
ちなみにウィキペディアには、「移動時に既に忠富士にはよだれの症状があり、他の種牛5頭を含む周囲にウイルスをまき散らした可能性があるという」とあるが、原典を当たってみると、それが移動時なのか報道時点でなのか、判別しかねる。
『忠富士、既に症状…周囲にウイルスまき散らす?』
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100522-OYT1T00550.htm
いずれにしても、戦争(敢えてこう表現する)が始まって1ヶ月超、ワクチン投与は半ばを過ぎたというが、殺処分対象が14万頭以上増えることとなり、まだまだ戦いは続く(そもそも、ワクチン投与で封じ込めが成功するかどうかも、まだわからない)。
心身ともに疲弊している東国原知事、さらには県庁やJA、畜産関係者に対し、精神的に追い討ちをかけるような心ない報道は、現時点では慎んで欲しいものだ。
参考ブログ)『東国原知事の静かなる抵抗』
http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-15de.html
↓「いよっ!その通り!」と思ったら、下記へのクリックお願いします。
↓「なかなか鋭いね!」と思ったら、下記にもクリックを!
『中小企業診断士えんさん』の公式サイトはこちら
« 本日の名言、いや迷言 | トップページ | 東国原知事の静かなる抵抗Ⅲ »
「ニュース」カテゴリの記事
- 泉佐野市が示してくれたネーミングライツの問題点(2012.03.23)
- どうなる!? オリンパスのデジカメ部門(2011.11.12)
- 買う立場になって「横浜ベイスターズ譲渡問題」を考えてみる。(2011.10.25)
- 中部経済新聞にて、「事業承継」に関する執筆記事が掲載!(2011.05.20)
- 「牛トレーサビリティ法」は形骸化?(2011.05.10)
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- えんさんの成都旅行記-5 (観光地編)(2011.09.04)
- 10/7(金)、ウインクあいちにて「消費市場としての 中国マーケット販路開拓セミナー」開催します!(2011.09.02)
- えんさんの成都旅行記‐4 (グルメ編)(2011.09.01)
- えんさんの成都旅行記-3 (価格調査編)(2011.08.29)
- えんさんの成都旅行記-2 (市場調査編)(2011.08.27)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント