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2010年4月28日 (水)

3Dテレビはキャズム(溝)を越えられるか?

 本日、家電店でパナソニックの3Dテレビを体験してきた。確かに、立体的に見えることに新鮮な驚きを感じた。しかし、これが本格的に普及するかどうか、甚だ疑問だ。

 中長期的に見ても、3Dテレビは「イノベーター理論」の言うところの「イノベーター(革新者)」のみ購入し、「アーリーアダプター」はおろか、キャズム(溝)を越えて「アーリーマジョリティ」に普及することはまずあるまい。

参考)イノベーター理論とは

http://www.jmrlsi.co.jp/mdb/yougo/my02/my0219.html

 「何事も、普及には時間がかかる」という意見もあろうが、ハイビジョンテレビやブルーレイがジワジワ普及するようにはいかないだろう。

 しかし、マスコミや家電業界からは、「今年は3D元年!」と鼻息が荒い。なぜこんなに盛り上っているかというと、ひとえに通常のハイビジョンテレビの単価下落が激しく、次なる「ドル箱市場」誕生への期待感として、「3Dテレビ」に注力しているものと思われる。

 「3Dテレビはほとんど普及しない」という、私が考える根拠は下記の通りである。

・3Dテレビは家族で見るのに適しない

 今後の技術の進歩はあるだろうが、3Dテレビは基本的に「正面」から見ることを推奨している。となると正面から見ることが出来るのは1名、せいぜい2名だろう。大画面ほど3Dが活きるというのに、少人数しか堪能できないのはキツイ。

 ネットで画像を拾ったが、家族で見ると、こんな感じ?

 Photo

・3Dテレビは「ながら視聴」に向かない。

 大多数の人々は、余程のことがない限り、「食事をしながら」や、「雑誌・新聞を読みながら」など、「ながら視聴」が日常である。「テレビ視聴に専念」というシチュエーションは、映画などの限られたコンテンツだけだろう。

しかも、今のところ3Dメガネはサングラスタイプ。どうやってもやや暗く見えるので、画面の鮮やかさも損なわれ、TV視聴以外の行動にも支障をきたす。

・ソフト(コンテンツ)が非常に限定的

 ブルーレイでもなかなか普及しないのは、DVDに比べてまだまだ圧倒的にソフトウェアの数が少ないからだ。ましてや3Dとなると、映画などのコンテンツや通常のテレビ番組でも、ごく限られる。このため、「3Dテレビを買ったが、見るのは2Dのコンテンツのみ」という状態が強いられることが予想される(もっとも、ソニーなどは2Dコンテンツを”擬似3D”にする技術開発をするらしいが)。

 過去のブログにも書いたが、テレビ局(というより番組制作会社とその下請け)は、ハイビジョン対応だけでも資金的にキツく、スポーツ番組など一部を除いて3Dの番組制作はとてもムリだろう。

・初めは新鮮だが、そのうち飽きる

 精細なハイビジョンのコンテンツを堪能すると、DVDのスタンダード画面の粗さが物足りなくなってくる。私も最近、ブルーレイのソフトを続々購入しているが、余程のことがない限りDVDは購入しないつもりだ。

 しかし、果たして同様に「3D画面を一度堪能したら、2D画面はものなりなくなる」ということになるのか?むしろ、「初めは新鮮に感じるが、そのうち飽きる」ということにならないだろうか。

・すでに、大型テレビを買ってしまったので、今さら要らない。

 最近の新聞で、「エコポイントで大型テレビを購入したので、もう要らない」、という声が載っていた。3Dテレビは大画面が基本だろう。すでに、過半の世帯で地デジ対応のハイビジョンテレビが導入されている。あとの世帯は、「金銭的理由でテレビの買い替えできない」という層がかなりいるはず。彼らが割高な3Dテレビを買うということは考えにくい。

 と、いった感じで否定的な見解ばかり述べてきたが、テレビが「お茶の間の王様」という時代が過ぎ去ったことを思えば、いたし方あるまい(そもそも”お茶の間”という言葉が死語だ)。

 それよりもむしろ、PCから「iPhone」を始めとしたスマートフォン、さらにはiPadなど新たなガジェットの先に、市場は広がっているのではないだろうか。

 私も6月からスマートフォン(HTC Desire X06HT)ユーザー(本日某家電店で予約したら、「納品は6月になりそう」とのこと)。そこから広がる新たな世界を、楽しみに待ちたい。

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コメント

私は左眼に緑内障を患っていることもあり、3Dの恩恵に預かれるのか疑問に思っていました。
Googleで検索してみたところ、左右で極端に視力が違うような場合には無理なようです。
健常者にとっても「3D酔い」や「(特に子供の場合は)長時間の視聴により、2D以上に眼への悪影響が大きい」などの指摘がされています。
地デジ化対応などで経営が圧迫されているテレビ局側が、3Dコンテンツを潤沢と言えるほど配信できるようになるかは、大いに疑問に感じます。
となれば、3Dのブルーレイコンテンツやゲームソフトの普及が、3Dテレビ普及の鍵になると思われます。
となると3Dテレビは、「両眼が健常」で「コンテンツにお金を出すことを厭わない」人の物となりそうです。

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