『昭和天皇論』
本日、日経新聞を見ていたら、小林よしのり氏の最新著作である『昭和天皇論』の広告がデカデカと載っていた。
その中のキャッチフレーズに、”日本史上最大の巨人”とある。
私は少なくとも、わが国における”20世紀最大の巨人”であるとは思ってはいたが、なるほど、確かに”日本史上最大の巨人”という表現は、至極適切である。
歴史に詳しくない人であっても、わが国は(いつからか、とは断定しがたいが)建国以来、昭和20年からの十年弱の占領期を除き、ずっと独立を保っていたことはご存知だろう。
戦中期の”神国ニッポン”、”神風”といった思想は行き過ぎかもしれないが、アニミズムにも通じる土着的な感性を今も保ち、歴史的な連続性を保持しつつ、なおかつ先進国たりえているわが国を称し、「世界歴史上の奇跡」と表現するのは、決して誇張ではない(われわれ日本人は、日頃意識することはないかもしれないが)。
そんなわが国が、歴史上唯一、国家存亡の危機に立ったのが、昭和20年。
過去をさかのぼれば、天智天皇の時代の「白村江(はくすきのえ)の戦い」、鎌倉時代の元寇、戦国時代のスペイン・ポルトガルによる”大航海時代”、黒船来航から明治維新、さらには日露戦争と、外国勢力の脅威に晒された時代はいくつかあった。しかし、これほどまでに国家の存亡が危ぶまれたのは、あとにも先にもこのときだけだ。
正確に言えば、コロンブスのアメリカ大陸発見(この表現は好きではなのだが)以来、400年にわたって西洋人がアメリカ、アフリカ、そしてアジアと徐々に占領下に置く中、じわじわと日本の外堀が埋められ、そのクライマックスとして日露、日米の衝突があったと言える。
そのような歴史的経緯を踏まえつつ、国家存亡の危機を乗り越えた時代の国家元首が昭和天皇である。
立憲君主制という「くにのかたち」を侵すことを強く戒め、過去には二・二六事件が勃発したときのみ指揮権を発動され、そして昭和20年8月、ポツダム宣言受諾で意見が割れる鈴木貫太郎内閣に対し、自らのご意思を表明された昭和天皇。
自分自身がリアルタイムで目にした(といってもテレビや新聞からだか)昭和天皇は、相撲好きと園遊会の「あっ、そう」くらいだ。多くの30代以上の日本人はそうだろう。ましてや20代以下にとっては歴史上の人物であろう。
私の知らない昭和天皇、そして「昭和」という時代を、改めて深く噛み締めるためにも、早速本屋に走り、この本を購読してみたい衝動に駆られている。
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