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2009年9月 6日 (日)

「自前主義」が日本を滅ぼす!?

 少し前のブログで、日本のものづくり産業が「自前主義」にこだわるあまり、ビジネスの垂直分離がなされると同時に加速する「国際斜形分業」によって商品の爆発的普及が始まる頃、決まって「惨敗」するという、『ものづくり敗戦』についての話題を集中的に書き記した。

2009年7月29日 (水) 『ものづくり敗戦』

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-8ba4.html

2009年8月 8日 (土) 「良いもの作れば売れる」志向からの脱却が日本の未来を拓く

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-21df.html

2009年8月13日 (木) 『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか』-1

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-6335.html

2009年8月15日 (土) 『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか』-2

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-3593.html

 『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか』から引用したとおり、もはや従来の日本の大企業が得意としてきた「垂直統合型、自前主義、企業群の切磋琢磨」モデルは、もはや通用しない。こうした動きにを察知し始めた大手企業は、日本でのものづくりからの転換を図りつつある。シャープの片山幹夫社長が、日本でのものづくりを見直し、『地産地消型』へ仕組みを大転換しよう、という方針を発表したのは、その典型例と言える。

片山幹雄・シャープ社長――日本でのものづくり見直し、地産地消型へ仕組みを大転換

https://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/7d545f37a93f6319e2d3707e18ff5fda/

 さて、政治に目を転じてみると、いよいよ船出が始まった民主党政権が、「脱官僚政治」を標榜し、政治における「自前主義」を推進しようとしつつある。

 9月3日未明の民主党の鳩山代表とオバマ米大統領の電話会談は、米側が在日米大使館を通じて直接民主党に持ちかけて実現したが、外務省は事実上、“蚊帳の外”だったという。

 「「関係者によると、外務省には、米政府から会談を行う、との事前連絡があったが、同省は調整に関与しなかった。通訳を含む職員の同席も見送った。ただ、民主党の求めに応じ、大統領の人物像と米国の国情に関する資料は提供したという。

 外務省は先月31日に鳩山代表が李明博韓国大統領と電話会談した際にも関与しておらず、民主党の「政治主導」手法の表れと受け止める向きもある。」

2009年9月3日11時37分

『鳩山・オバマ電話会談、外務省は「蚊帳の外」 』 (読売新聞)

http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_japan_us_summittalks__20090903_3/story/20090903_yol_oyt1t00452/

  「政治家主導」、その心意気は立派だが、外務省を調整に関与させなかったばかりか、「通訳を含む職員の同席も見送った(見送らせた?)」のは首をひねらざるを得ない。少なくとも、能力的には優秀な官僚たちだ。「脱官僚政治」を実現したいあまり、彼らをむげに排除するのはいかがなものか。

 むしろ、政治家が主導しつつ彼ら官僚の能力を発揮させるのが、本来の「脱官僚政治」ではないだろうか。先週のNHKニュースによると、新人議員の中には、各省庁から送付されてきた来年度予算の概算要求資料を、「白紙から見直すので、封も空けずにゴミ箱に捨てた」という者もいたということだ。「官僚政治」を否定するなら、まずは官僚がどのように政治主導をしているのか、資料を精査して勉強することから着手すべきではないか?

 上武大学教授の池田信夫氏も、民主党の「自前主義」に対し、下記のような懸念を表明している。

 「大事なのは、国家戦略局の制度設計である。私がこれまで民主党の政策決定を外野でみていて危惧するのは、自前主義が強くて専門家の意見をあまりきかないことだ。数ヶ月前に、私が「民主党の政策には成長戦略が欠けている」と政調会長も出席した勉強会で指摘したのに、きいてくれなかった。選挙戦に入ってから自民党に指摘されて、あわててマニフェストを修正する始末だ。」

 「「政治主導」を実現するには、自前主義を捨てて国家戦略局に外部の専門家を入れ、各省庁の法令担当を戦略局に集めて議会事務局のような機能をもたせる必要がある。民主党には「日本版ケネディスクール」をつくって自前の政策スタッフを養成しようという構想もあるようだが、そこでも法案化の訓練が重要だ。このようにして立法と行政を水平分離することが、官僚主導を打破する第一歩である。」

池田信夫blog 『霞ヶ関というITゼネコン』 2009-08-31

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/957b5975c4499c72bd8834ce81f75f34 

 日本の「ものづくり」産業は、「自前主義」を脱却することで、新たな時代の活路を見出そうとしている。一方、政治は「自前主義」にこだわって、国力を落としてしまわないか?新政権は間もなく発足するが、その船出には不安が付きまとうばかりだ。

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