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2009年8月 8日 (土)

「良いもの作れば売れる」志向からの脱却が日本の未来を拓く

 本日NHKで放映された、『追跡!AtoZ 勝ち残れるか 激突 国際標準戦争』は、モノづくりには強いが戦略的な事業展開で劣る日本企業の戦略的な課題を浮き彫りにした、興味深い番組であった。番組の紹介サイトには、下記のようなイントロダクションが記されている。

 「世界最先端の技術を投入した日本の薄型テレビが、海外に輸出できない…。そんな事態が現実のものとなろうとしている。ヨーロッパの巧みな戦略によって、「国際標準」の一部が変更されたからだ。

 1995年のWTO発足以降、国際標準は、輸出や政府調達の条件としてルール化された。そして、百年に一度と言われる不況の今、その覇権を巡る競争は一層激しさを増している。国際標準を決めるのは各国の投票。しかし、標準化を国益の源泉と掲げる欧州勢を前に、日本は苦戦を強いられてきた。

 そうした中、数々の失敗から学び、巻き返しを図る日本の企業連合がある。1100キロボルトという世界一高い“超高圧”の送電技術を30年がかりで開発。東京電力を中心に、多くの企業が結束し、巨大な電力インフラ市場を持つ中国やインドへの進出を夢に国際標準化を目指す。立ちはだかるのは欧州の列強企業。

 日本チームは、先手必勝の“秘策”や、海外に積極的に“協力者”を作るなど、知略を駆使して悲願達成に向け奮闘する。果たして日本はどこまで巻き返せるのか?ルールをめぐる国際的な闘いの最前線を徹底追跡。」

http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/file/list/090808.html

 番組によると、日本はソニーのウォークマンやVHSなど、”デファクトスタンダード(事実上の世界標準)”で、世界市場を席巻してきた。このような成功体験によって、モノづくり大国ニッポンの製造業は、「良いものを作れば売れる」という思いをより強固なものにした。

 しかし、ヨーロッパ人はしたたかだ。日本勢を脅威と感じたら、単に技術で競うのではなく、ではなく、戦う土俵(ルール)を変えて自分らを有利にする。オリンピック種目におけるたび重なるルール変更は、その分かりやすい例だ。TVでも紹介されていたが、ドイツも家電メーカー『シーメンス』の合言葉は、「標準化と革新」の両輪。「標準化を成し遂げてこそ、世界市場を制すことが出来る」、ということを企業戦略として掲げている。

 1100キロボルトの電圧に関しては、日本規格化協会の専門家のサポートを含む尽力もあって反対国を25%以下に抑え、何とか国際標準を勝ち取ることができた。しかしこのような事例は、まだまだ例外的な動きに過ぎない。国際的な潮流に日本メーカーは十分対応しているとはいえず、例えば携帯電話の世界市場における日本メーカーのシェアは1%に満たないと言う。

参考記事)

2009/07/08(水) サーチナ

『日本の携帯電話、ガラパゴスからの脱出を期して』

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0708&f=column_0708_005.shtml

 なぜ、世界市場で日本は負け続けるのか?この問いに対して、まだまだ勉強不足ではあるが、少なくとも先日のブログで書いた紹介した書籍『ものつくり敗戦』が指摘したとおり、日本の科学技術産業が抱えている欠陥である、「普遍性への感度の低さ」、「見えないものを見る感受性の低さ」、「ハード偏重、ソフト軽視」といった、明治以来の日本の製造業が抱える特質が、ここに来て大きな足かせとなっているのは間違いないだろう。

参考ブログ)

『ものづくり敗戦』 2009年7月29日 (水)

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-8ba4.html

 同じようなテーマの書籍として、『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか―画期的な新製品が惨敗する理由』を注文してみた。お盆は、これをじっくり読んでみることとしよう。

参考ブログ)

「技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか」 池田信夫 blog(2009-08-07)

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/e90fe3c98c9cc36b1a1372968963f853

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まあ個人的には優秀な改良者は原理の発見者より上に立ってはいけない、というルールは叡智を扱う世界に生きる生き物としてあってもいいとは思いますがね。

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