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2009年4月16日 (木)

マーケットインかプロダクトアウトか??

 並みいる企業が減収、減益、さらには赤字転落と苦しむ中で、数少ない”勝ち組”企業の代表として、任天堂に異を唱えるものはいないだろう。その任天堂のニンテンドーDSがこの3月で1億台、Wiiが5,000万台突破、これはライバルであるSonyのPSP、PS3に約2倍の差をつけているという。

参考サイト

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20090408_110562.html

http://d.hatena.ne.jp/ysdk1/20090305/p1

 なぜ、任天堂とSonyで、ここまで差がついたのか?よく言われるのが、Sonyは「高品質のグラフィックなど技術やマシン性能に重点を置きすぎ、ゲームマニア層以外の市場を広げられなかった」のに対し、任天堂は「機能・性能至上主義に陥ることなく、女性やファミリー層など、従来のゲームマニア以外の市場を新たに開拓したからだ」、という、ものである。

 SonyのPS3は、市場のニーズではなく作り手側の自己満足を追求した”プロダクトアウト”であったから、というのは確かに当たっている。”プロダクトアウト”の対義語して”マーケットイン”という用語があるが、では任天堂のニンテンドーDSやWiiが”マーケットイン”から開発されたか、というと必ずしもそうは言えない。ユーザーからアンケート調査をして、ニンテンドーDSのタッチパネルやWiiの縦型コントローラの発想が果たして出てきであろうか?その意味では、任天堂の製品も”プロダクトアウト”であると言える。

 では、なぜこのような発想が生まれたのか?PC Watchによると、『コンピューティング(&グラフィックス)パフォーマンス向上に最重点』を置くのではなく、『人間とコンピュータの仲立ちをするマンマシンインターフェイスの改革』にポイントを置いた点にある、と指摘している。

 では、そもそもなぜ『マンマシンインターフェイスの改革』に着目したのかというと、その発想の根源は、先述した「女性やファミリー層など、従来のゲームマニア以外の市場を新たに開拓」しよう、というところにたどり着くだろう。任天堂において、どのような議論が行われたのかは、判らない。しかし少なくとも、未来のユーザーにヒアリングをして得られたわけではなく、徹底した洞察力の賜物、といっても良いだろう。

 任天堂の成功は、今後のマーケティングの大きな示唆を与えている。モノと情報があふれている現代において、単に消費者に聞き取り調査を行っても、「何が欲しいのか判らない」と言った答えが返ってきてしまう。消費者のニーズは曖昧模糊としている。それをいかに汲み取って具現化するか、そこに必要とされるのは”洞察力(インサイト)”であって、技術は手段に過ぎない。

 余談だが、先日参加したセミナーでこんな話を聞いた。

「モスバーガーのお客様にアンケートをとったところ、1番多かったのは「注文した商品を早く出して欲しい」、2番目に多かったのは「ドライブスルーをつけて欲しい」であったとのこと。”マーケットイン”の考えに基づいて、その要望を叶えたら、モスバーガーはマクドナルドになってしまう・・・。

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