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2009年4月29日 (水)

”減税”が最優先の施策??

 昨日、『ポピュリスト(大衆迎合主義者)河村たかしに注意せよ』という、いささか挑戦的な表題で新名古屋市長の河村たかしを批判した。

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-48b7.html

 本日も、TVのニュースを見ていたところ、開口一番「市民税の10%減税」を口にしていた。しかし昨日も指摘したとおり、投票する名古屋市民に取っては非常に耳障りの良い”減税”ではあるが、これが一番の公約として掲げられることには、甚だ疑問が残る。

 彼が選挙に当たって掲げたマニフェストには、「日本初の市民税減税をして、市民の生活を支援するとともに消費を刺激する」、とある。しかし、現在社会問題と化しているか貧困にあえいでいる人たちは、そもそもの収入が少なすぎて、減税されたくらいでは楽になるレベルではない。

 あしなが育英会のサイトによると、遺児家庭の世帯主が母親の場合、年収の平均は134万円、就職希望の遺児 4割が生活苦で進学を断念していると言う。以下、転載。

 「深刻さを増す不況の影響で、遺児家庭は貧困のどん底に追いやられています。1998年には200万円(一般勤労者所得比43.2%)だった遺児の母親の勤労所得が年々減少し、2007年は134万円で一般の3割にまで落ち込んだことが、あしなが育英会の調査で明らかになりました。
 また、この春卒業した遺児母子家庭の高校3年生の昨年12月時点での「就職希望」は27.8%で、同時期の全国の高校新卒予定者の平均19.3%(文部科学省調査)の1.4倍。さら就職希望の理由は、「経済的に進学できない」21.0%、「家計を助けるため」19.1%で、計40.1%が「生活苦」が理由で就職を希望しているなど厳しい実態が調査で浮き彫りになりました。」

参考URL) あしなが育英会

http://www.ashinaga.org/index.php

 このように、フルタイムで働いても満足な収入が得ることができない家庭においては、減税10%はどこまでの意味を持つのか?はっきり言って焼け石に水であるなのである。こうした格差問題に、彼はどこまで真剣に取り組もうとしているのか?少なくともマニフェストからは何も見えてこない。.

 また、名古屋(というか愛知県・中部地域全体、さらには日本全体)の大きな経済的課題と言えば、いかに「トヨタなど輸出産業に依存した産業構造から脱却し、次なる産業の柱を打ち立てるか」であろう。昨年「独り勝ち」から急転直下、全国で最も”派遣切り”を行ったと悪名を着せられた愛知県であるが、その県都としていかに経済を活性化させるか、彼のマニフェストを見ると、そもそもそうした問題意識は微塵も感じられない。

4月5日の中日新聞Webによると、

「■名古屋市経済をいち早く不況から脱出させる

 ・4大事業はいったん立ち止まり、優先順位など再検討

 ・市の調達は地元中小企業を優先的に行う

 ・名古屋高速道路の通行料金を100円値下げ」

とある。

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/ele_mayor/list/200904/CK2009040502000162.html

 いずれも市民税10%減税と同様に、庶民受けしそうな話題に言及しているのみで、構造的なところに踏み込んで変革を促す、次世代を担う産業を育成する、と言った発想は見られない。一方で「未利用農地で飼料用、バイオ燃料用作物を栽培」と、今どきの流行ネタを盛り込んでいるが、果たしてバイオ燃料の栽培など、人口が密集した名古屋市が担うべき産業だろうか?

以上を踏まえると、彼が声高に叫ぶ「変革」は、パフォーマンスとしては注目を集めるかもしれないが、その実効性についてはクエスチョンマークがつきまとう。次の時代への変革が求められる中、名古屋市は目立ちたがり屋の首長に振り回され、”失われた4年間”となってしまわないか?不安だらけの船出が、今週から始まった。

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2009年4月28日 (火)

ポピュリスト(大衆迎合主義者)河村たかしに注意せよ

 26日に行われた名古屋市長選挙は、河村たかしが過去最高の得票数で当選した。しかし、その後の報道を見る限りでは、抜群の知名度や「変革」や「減税」など耳のよい言葉で選挙民の心をつかんでしまった(名古屋市民側から見れば耳障りのよい言葉で心をつかまれてしまった)、危うさが充満している。

 本日の日経新聞によると、河村たかしは「五十一万人の市民の皆さんが減税してと言っているんでしょう。これを反対するんですかね。『市議会は誰の味方だ』ということになりますよ」と述べている。選挙民にとって、確かに”減税”という言葉は魅力的だ。しかし、果たして”減税”を絶対的な善とみなすことのは正しいのか、彼に一票を投じた市民が、そこまで考えて投票したかどうかは、甚だ疑問だ。

 税が少ないのが望ましいのであれば、究極の減税は無税である。しかし、これで行政機能の存在そのものを否定することとなる。肝心なのは、公平な税金の徴収と適正な税の活用である。いかなる支出を抑えるのか、また必要な政策実行への財源はどこから調達するのか、それに対する十分な言及なくして減税のみを声高に唱えているのであれば、河村たかしは単なるポピュリスト(大衆迎合主義者)であり、減税のみをありがたがって彼に票を投じた市民がいるとすれば、それは愚民といわざるを得ない。

 先例として、徹底した支出の見直しを行い見事単年度の黒字化を果たした大阪府の橋下知事を挙げるものもいるだろう。しかし、大阪府の財政難は危機的な状況にあり、予断を許さない状態であったため、あれだけドラスティックに改革を断行する必要があった。

 しかし、名古屋市民が他市町村に比べて増税にあえいでいると言った声が、今まで声高に叫ばれたことはない。「減税こそが名古屋市に喫緊の課題だ」、という河村氏の主張は、果たして妥当であったと言えるのか?今後、彼が断行する改革に対して、議会や議員、行政幹部らの反発が相次ぐことだろう。それに対して彼は得票数を傘に、またマスコミはそんな彼が代表する”市民の声”を傘に、抵抗勢力としてのレッテルを貼ることだろう。

 著作やTV出演など、他に収入源を持っているくせに、『市長の年収は800万円』と臆面もなく述べることとなどは、パフォーマンスの局地だ。このように、”飴(アメ)”しか見せない彼が名古屋の未来を切り拓くことができるのか?大いなる疑問を持ちながら、その推移を見守って行きたい。

 ※ちなみに私は名古屋市在住ながら、いまだ住民票は岐阜県岐阜市にある。今回、名古屋市での投票権を有していなかったのは、甚だ残念であった。

参考ブログ)

http://wannosuke.iza.ne.jp/blog/entry/1012796/

http://blog.livedoor.jp/patriotism_japan/archives/51499918.html

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2009年4月25日 (土)

「希望を捨てる勇気」

 以前の記事で引用させていただいた、経済学者池田信男氏のブログ記事「希望を捨てる勇気」がすごい反響を呼んでいる。

再掲)『希望を捨てる勇気』

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/6f12938eaad206d10b7629456f0a051e

 同氏の本日のブログ記事によると、「19日の記事には驚くほどの反響があり、出版化の話まで来た(さすがに無理なのでお断りしたが)。コメントも150を超え、延々と議論が続いている。」とのことだ。

参考)『希望について』

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/706ab37b90a9298056c88e3269435b91

 「希望を捨てる勇気」とは、ひどく刺激的な表現で一見反発も呼びそうだが、 私は「”希望的観測”を捨てる勇気」という意味合いで、大いに共感を覚えた。

 同氏は冒頭で、鋭い指摘をしている。以下、抜粋。

 「昨今の経済状況をめぐる議論で、だれもが疑わない前提がある。それはこの不況が、いずれは終わるということだ。 ~中略~ 90年代の「失われた10年」と現在はつながっており、そしてこの長期停滞には終わりがないかもしれないのだ。これを打開するには、生産性(TFP)を上げるしかない。特に雇用を流動化して労働の再配分を行なう必要があるが、それには非常に抵抗が強い。日本の産業構造が老朽化しており、これを再編しないと衰退する、と多くの人が90年代から警告してきた。20年間できなかったことが、これから数年でできるとは思えない。政治家にも、与野党ともにそういう問題意識さえない。」

 ニュースに流れるサラリーマンや自営業者のインタビューなどで、「早く景気が回復して欲しい」、なんて声をよく聞く。あれこそまさに、「捨てるべき希望」というやつだ。彼らの頭の中には、「そのうちいつかは景気が回復する」という、漠然とした希望的観測がある。日本中に蔓延している、この”希望的観測”こそが、変革を妨げていると言えるのではないか。

 就職戦線における大企業志向や公務員人気、年々高まる新入社員の終身雇用志向の高まりなどは、まさに「大手であればつぶれない」、「親方日の丸に務めていればリストラされない」という”希望的観測”の最たるものだ。

 その対極にあるのが、スズキの鈴木修会長だ。彼は、近年の自動車産業の不振は、短期的な米国経済の落ち込みが原因なのではなく、そもそも着実に「車離れが進行しつつある」という認識を示している。これこそまさに、”希望的観測”を捨てているという、格好の事例であると言えよう。

 ”希望的観測”を持つと、どうしても見通しが甘くなり、経営判断を誤る。トヨタも、米国経済に希望的観測を持ったばかりに、二期連続赤字だ。”希望的観測”を持つことの危険性、これは企業の経営者のみならず、国家を司る政治家、さらには自分自身の人生を切り拓いていくべき我々一人ひとりにとっても当てはまることだ。

 勝間和代氏も、”希望的観測”を持つことの危険性を伝えるために、「会社に人生を預けるな」と言っている。それに対して相も変わらず、「終身雇用で何が悪い」、「終身雇用は日本の文化だ」との反論が後を絶たない。

 まもなく海の向こうでクライスラーが破綻し、GMもそれに続く。その煽りを受けてリーマン・ショック以上の大きな波が世界中を押し寄せることだろう。「まさか、そこまでの事態は起こり得ない」と希望的観測を持つのか、希望的観測を捨てるのか?舵取りの成否の分かれ目は、「希望(的観測)を捨てる」ことにあるだろう。

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2009年4月24日 (金)

「スーパー」って呼ぶな!

 昨日の日経新聞には「スーパー売上高1.7%減」、「12年連続前年割れ」の文字が。NHKのニュースでも、「不振が続くスーパーでは・・・」なんて枕詞が当たり前のように使われている。

 一般人にとって、「スーパー」といえば、「スーパーマーケット」、いわゆる「食品スーパー」を想起するのが多数であろう。しかし、新聞やニュースで報道される「スーパー」とは、日本チェーンストア協会の会員企業のことを言う。そのうち大手といえば、イオン(ジャスコ)、西友、イトーヨーカ堂、そしてユニー、平和堂といったところだ。いずれも、いわゆる「スーパー」というよりも「GMS」と言ったほうが適切だ。

 日本チェーンストア協会の発表による売上高の内訳を見ると、衣料品が前年比11.4%と大幅な減少を示しているのに対し、食料品はわずか1.5%減にとどまっている。要するに、「スーパーが不振」と言っているが、食品は相変わらず堅調で、衣料品が下げ止まらないのである。

 にもかかわらず、「スーパーが不振」なんて報道がなされると、一般の人は「生活に最も密着した食品スーパーでさえ、この不況の影響を受けて不振に陥っている」、との印象を持ち、ますます財布の紐をかたくしてしまうのではないか。

 一般の人々の景況感を悪化させないためにも私は提言する。これから、ジャスコやヨーカドーを「スーパー」と呼ぶのは止めよう!

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2009年4月22日 (水)

「足し算経営」の日本メーカーに未来はあるか??

 昨日に続いて、またまたネットブック(ミニノート)の話題。

 昨年夏にASUS社のEee PCが大ヒットして以来、わずか5万円&1kg前後のミニノートPCがヒット、参入が相次ぐ中、東芝やNECなど日本メーカーが苦戦していることは、既に述べたとおり。

参考ブログ)

『中途半端なやなぁ~』(2008年10月16日)

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-a720.html

『デザインの威力とブランド力過信の危険性』(2008年12月14日)

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-c647.html

 この春、東芝がネットブックに遅ればせながら「dynabook」のブランドを冠して発売したのに続き、シャープと富士通の参入が発表された(厳密には富士通は、もっと小型のPCを市場投入しているが、いわゆる”ネットブック”の発売は、今回が初)。

参考ブログ)『今さらdynabook』(4月20日)

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/dynabook-7536.html

【PC Watch】 富士通、同社初の国内向けネットブック「LOOX M」

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20090421_127862.html

【PC Watch】 シャープ、光センサー液晶搭載のMebius

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20090421_152786.html

 プレスリリース記事から読み取れるのは、両社とも従来のアジアメーカー製品の差別化を意識する余り、”足し算経営”による機能追加が図られている、という点である。具体的には、富士通の「LOOX M」には、全14種類の電子辞書機能が備え付けられている上、『最初から多彩なセキュリティ対策ソフトが搭載されている』との謳い文句で、なぜかウイルスバスター2009とノートン インターネットセキュリティ2009の2本がが90日間限定でインストールされている。 インターネット環境につなげられれば、電子辞書機能など不要だし、そもそも何故セキュリティソフトが2本バンドルされているのかが理解不能だ。

 シャープの「Mebius(メビウス) PC-NJ70A」は、どこまでニーズがあるのかわからない『光センサー液晶パッド』を搭載、これによって『ペンによる絵や字の手書き入力や、複数の指でのマルチタッチ(ジェスチャー)操作による表示内容の拡大・縮小、回転が可能』となる、とのことだ。さらにこちらも7種類の辞書ソフトを始めとしたソフトウェアが、ごっそりインストールされている。

 光センサー液晶パッドによる操作感覚の面白さは、iPhoneやニンテンドーDSのヒットも考えると、新たな可能性を秘めているかもしれない。しかし、8万円前後の価格や、1.46kgとやや重めの筐体であることも考慮に入れると、すでに店頭に並んでいる同型のライバル製品は4万円前後、軽いものは1.0kg~1.2kgのものもあり、これら製品に対して圧倒的な優位性があるといえるのかどうか、疑問が残る。

 両社とも良かれと思って搭載しているソフトウェアの数々は、むしろユーザーにとっては「その分、高い買い物をさせられているのではないか」という不信感につながってしまうのではないか?PCを買ったとき、「これでもか」と言わんばかりのソフトウェアの数々でデスクトップが埋め尽くされた、あの感覚に抵抗を覚えるユーザーは、決して少なくないだろう。

 そもそも、これだけネットブックがヒットしたのは、機能を必要最小限に抑えたことによって実現した圧倒的な低価格と、持ち運ぶのに苦にならないほどの大きさ・軽さが、本質的な要素である。にもかかわらず、これら日本メーカーは、相変わらず(ユーザーが強く求めていない)機能強化によって(自己満足の)高付加価値化を実現、それを根拠とした割高製品を市場に投入しようとしている。

 ようやく「この春に新製品を投入できた」という企業としてのフットワークの重さと、従来の”足し算経営”の発想から抜け出せない日本メーカーを尻目に、ASUS社やACER、HPなどは、コンシューマー市場に加えてビジネス市場への進出も進めつつある。ネットブック市場は、「モノづくりの強さ」や従来の「知名度・ブランド力」だけでは勝てない、との認識に立たない限り、これからも日本メーカの苦戦は続くだろう。

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2009年4月20日 (月)

今さらdynabook。

 久々に、このブログで散々取り上げてきた『ネットブック(ミニノートPC』の話題。

 従来は『デスクトップよりもやや高め』というノートPC市場に、破格の5万円前後(契約しだいでは100円)という価格で参入し、またたく間に一大市場を形成。わずか一年弱の間に10社を超える競合ひしめく市場となったわけだが、特記すべきはASUS(アスース)社、Acer(エイサー)社というアジア勢が1位・2位を占め、日本勢は劣勢、特に東芝やNECは自信満々に参入したにもかかわらず、苦戦を強いられている、ということだ(ちなみにこの記事の入力も、ASUS社のEee PCの900HAという機種を使っている)。

参考ブログ)

『戦略とは「やらないこと」を決めること』(2008年9月11日)

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-6d3f.html

『中途半端なやなぁ~』(2008年10月16日)

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-a720.html

『デザインの威力とブランド力過信の危険性』(2008年12月14日)

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-c647.html

 そんな『負け組』企業の一つ東芝が、今さらながら『dynabook』のブランド名を冠して夏にネットブック新製品を発売する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090420-00000052-zdn_pc-sci

 Yahoo!Japanのコメント欄でも、『当初は「dynabookとは別もの」として発売されたにもかかかわらず、なぜ今さら「dynabook」ブランドで発売するのか?」、といった東芝の迷走ぶりに対する辛口コメントが寄せられている。

たとえば、

『前回Netbook(NB100)を発売したときには「dynabookとは思想が違うから」とdynabookの名前ではなかったのに今回dynabookそのものを大幅に再編して含めるようにしたのは、やはりdynabook名で無かったことが「dynabookシリーズより劣る」と思われて敬遠されてしまったのだろうか。』

といった感じで。

 予想実売価格は6万円前後と、日本メーカーのプライドか、やや高めの価格設定。しかし、Sonyの「Vaio type P」ほどのインパクトはなく、後手に回った感は否めない。東芝は、一体だれに自社の製品を買って欲しい、と考えているのだろう?もはや、ネットブックは完全なコモディティ(日用品)である。その現実を踏まえ、特定のターゲットにとんがった製品を出す以外に、後発メーカー(敢えて言う)が参入できる余地はない。

 

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2009年4月16日 (木)

マーケットインかプロダクトアウトか??

 並みいる企業が減収、減益、さらには赤字転落と苦しむ中で、数少ない”勝ち組”企業の代表として、任天堂に異を唱えるものはいないだろう。その任天堂のニンテンドーDSがこの3月で1億台、Wiiが5,000万台突破、これはライバルであるSonyのPSP、PS3に約2倍の差をつけているという。

参考サイト

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20090408_110562.html

http://d.hatena.ne.jp/ysdk1/20090305/p1

 なぜ、任天堂とSonyで、ここまで差がついたのか?よく言われるのが、Sonyは「高品質のグラフィックなど技術やマシン性能に重点を置きすぎ、ゲームマニア層以外の市場を広げられなかった」のに対し、任天堂は「機能・性能至上主義に陥ることなく、女性やファミリー層など、従来のゲームマニア以外の市場を新たに開拓したからだ」、という、ものである。

 SonyのPS3は、市場のニーズではなく作り手側の自己満足を追求した”プロダクトアウト”であったから、というのは確かに当たっている。”プロダクトアウト”の対義語して”マーケットイン”という用語があるが、では任天堂のニンテンドーDSやWiiが”マーケットイン”から開発されたか、というと必ずしもそうは言えない。ユーザーからアンケート調査をして、ニンテンドーDSのタッチパネルやWiiの縦型コントローラの発想が果たして出てきであろうか?その意味では、任天堂の製品も”プロダクトアウト”であると言える。

 では、なぜこのような発想が生まれたのか?PC Watchによると、『コンピューティング(&グラフィックス)パフォーマンス向上に最重点』を置くのではなく、『人間とコンピュータの仲立ちをするマンマシンインターフェイスの改革』にポイントを置いた点にある、と指摘している。

 では、そもそもなぜ『マンマシンインターフェイスの改革』に着目したのかというと、その発想の根源は、先述した「女性やファミリー層など、従来のゲームマニア以外の市場を新たに開拓」しよう、というところにたどり着くだろう。任天堂において、どのような議論が行われたのかは、判らない。しかし少なくとも、未来のユーザーにヒアリングをして得られたわけではなく、徹底した洞察力の賜物、といっても良いだろう。

 任天堂の成功は、今後のマーケティングの大きな示唆を与えている。モノと情報があふれている現代において、単に消費者に聞き取り調査を行っても、「何が欲しいのか判らない」と言った答えが返ってきてしまう。消費者のニーズは曖昧模糊としている。それをいかに汲み取って具現化するか、そこに必要とされるのは”洞察力(インサイト)”であって、技術は手段に過ぎない。

 余談だが、先日参加したセミナーでこんな話を聞いた。

「モスバーガーのお客様にアンケートをとったところ、1番多かったのは「注文した商品を早く出して欲しい」、2番目に多かったのは「ドライブスルーをつけて欲しい」であったとのこと。”マーケットイン”の考えに基づいて、その要望を叶えたら、モスバーガーはマクドナルドになってしまう・・・。

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2009年4月14日 (火)

カルデロン一家報道の底を流れるマスコミの悪意

 「偽造パスポートで入国し、長年にわたり不法滞在していたフィリピン人夫婦が強制退去を命じられた。ただし、法務省の温情措置によって日本で生まれ育ち日本語しか分からない(?)娘さんにのみ、日本国内に居続けることが可能となった」、この出来事に対するマスコミの報道は常軌を逸していた。

 たとえば、時事通信の表題は、「空港で涙流し、抱き合い=ノリコさん両親帰国-フィリピン人一家」、読売新聞では「「3人で残りたかった」埼玉の比人夫妻、長女残し帰国」と、いずれも「13歳の女の子が、国の決定によって泣く泣く両親と離れ離れになった」、お涙頂戴モノさながら”家族の悲劇”といった記事に仕立て上げている。さらに本日の日経新聞社会面においては、『のり子さん両親フィリピン帰国「いつか一緒に日本で」』と、彼らに同情的な筆致で表題をつけている(しかも、”不法滞在”の文言が一切ない!)。

 TVは言うに及ばず、NHKニュースもまでもが、極めて情緒的な報道スタンスを取っており、例によって報道ステーションの古館伊知郎はスタッフの思惑通り(?)、知性を放棄して情緒からのみ発せられたトンチンカンなコメントを全国に晒した。

「ご両親と13歳の娘さんが、国を別れて暮らしていく、あのう、みなさん、これをですね、自分の親戚で起きた事と想像しますと、どうでしょうね。法律というのはなんなのかと思いますね。新しく法律を作る前に、裁量というものがあるのではないかなと、私は感じますね。」

参考ブログ)

http://ponko.iza.ne.jp/blog/entry/994434/

 確かに娘ののり子さんに罪はなく、彼女のこれからの人生には厳しい道が待ち受けていることを思うと、同情を禁じえない。ただし、ここで両親の不法滞在を認めてしまうことは、今後の悪しき先例をつくってしまうことにつながり、法務省の判断はきわめて妥当であると言える。にもかかわらず、「公正」、「客観的」を標榜するマスコミが、果たしてこんな情緒的なスタンスでよいのか?

 否、むしろマスコミは意図をもって、一見巧妙に、彼らに同情が集まるような報道を続けることで、世論を誘導しているとしか考えられない。もしその狙い的中し、政府の厳しい姿勢に非難が集まれば、今後もこれを先例として、子供をダシにした不法滞在者が日本に居続けることが可能となる。マスコミは、意図的にこれを狙っているのだ。

 「不法滞在者が巧妙な手法で国内に滞在し続けられる」という前例を作ることが、日本の治安維持においていかに危険なことか、それを敢えて報道しないのは怠慢を越え、”悪意ある不作為”と断定せざるを得ない。

 しかし、世間はそれほど馬鹿ではない。ましてやネットにおいては、ほとんどが政府の決定を妥当と支持し、不法滞在しながら国外退去に不満を述べる両親に冷たい視線を送っている。たとえば、こんなブログ。

http://nanab-pangya.blog.so-net.ne.jp/2009-04-14

http://tomoaki-takeda.seesaa.net/article/117415141.html

http://blogs.yahoo.co.jp/nipponko2007/30765432.html

http://blogs.yahoo.co.jp/deliciousicecoffee/39882275.html

↓こちらのブログは、特に冷静かつ的確。

http://cotodama-6000.iza.ne.jp/blog/entry/875465/

http://blog.livedoor.jp/wildhorse38/archives/51480753.html

 話は変わって、麻生総理に対するマスコミの徹底的なネガティブキャンペーンも、そろそろ策が尽きつつある。いまや、漢字の読み間違いを報道するマスコミがいたとすれば、むしろそんな下らないことを記事にするマスコミの見識こそ疑われることに、彼らは気づいているのだろうか?

 新聞社、テレビは間違いなく凋落の一途をたどる。しかし、まだまだ彼らの影響力は絶大なものがある。我々は今後も、国民を間違った方向に誘導しようとする彼らに監視の目を光らせる必要があるだろう。 

空港で涙流し、抱き合い=ノリコさん両親帰国-フィリピン人一家
4月13日19時56分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090413-00000111-jij-soci

「3人で残りたかった」埼玉の比人夫妻、長女残し帰国
4月13日19時39分配信 読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090413-00000588-yom-soci

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2009年4月12日 (日)

自動車産業を支えることは是か?

 新年度が始まったばかりだというのに、早くもトヨタが2期連続赤字の見通しを発表した。直接的な原因は世界的な景況悪化による販売不振と円高による輸出採算性の悪化だが、そもそも短期的な経費削減ではとても追いつかないほど生産能力を増強し、固定費が膨れ上がったということが真因である。トヨタの米国経済に対する見通しの甘さについては、前日のブログでも書いた通りだ。

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-7782.html

 本日の日経新聞でも、トヨタファイナンシャルサービス取締役の平野英治氏は、「07年八月のサブプライムショックでリスクが証券化を通じて欧州に飛び火していると分かった。それでも新興国が世界経済を支え、実体経済は大丈夫だと考えていた。」と、見通しが甘かったことを白状している。

 そもそもトヨタは、自分のコントロール下にある「カイゼン」には滅法強いが、コントロール下にない不確実な未来に対して鋭い洞察力を働かせるような優秀さを持ち合わせていないのではないか、と先日も指摘した。たまたま今までは顕在化しなかったに過ぎなかったにもかかわらず、手放しでトヨタを礼賛する書籍がやたらと出回ったことに違和感を覚えたが、その違和感に間違いはなかったようだ。 

トヨタ、2期連続営業赤字の見通し=6年ぶりに販売700万台割れへ
4月12日17時1分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090412-00000040-jij-bus_all

 そんなトヨタを下支えするかのように、高速料金の値下げ、さらにはエコカーに補助金と、自動車産業に対する露骨な政府の後押しが目白押しだ。個人的にはエコのためなら自動車よりも公共交通機関の利用を促進すべきではないか、と言う点で矛盾を覚えたのだが、経済学者の池田信夫氏は別の観点で自動車産業への補助的施策に異議を唱えている。

 「日本経済にとって本質的な問題は一時的な需要の追加ではなく、持続可能な潜在GDP――Mankiwの言葉にならうと自然GDP――の水準をいかに高めるかである。これはマクロ経済学というより、成長理論のテーマだ。(中略)経済成長の最大のエンジンがイノベーションだということについては、理論的にも実証的にも広い合意があり、成長理論においても「新しいコンセンサス」ができつつあるといってもよい。しかしこの場合のイノベーションとは技術革新ではなく、企業の新陳代謝である。

 (中略)各国を比較した実証研究で成長率を決める重要な要因とされるのは、資本市場の発達、労働市場の柔軟性、財産権の保護、教育、研究開発投資、市場開放などである。政府が成長率を高めることができるとすれば、こうしたメタレベルの制度設計によってであり、直接に特定の産業を「育成」するターゲティング政策は、先進国では有害無益である。」

 自動車産業や家電など、今までわが国経済を支えてきたモノづくり産業・輸出産業を支援することで、日本経済の回復を図ろうという試みは、従来の産業構造を延命させる行為であり、新たな産業構造への転換をむしろ遅らせることになりはしないか?

 かつて、竹中平蔵やウシオ電機会長牛尾治朗氏は、これら輸出産業を称して”ストロング・ジャパン”と呼んだ。そしてその強さの源泉は、市場経済の競争にさらされ、規制や補助を頼っていないことにあると述べていた。であれば、これら産業に”エコ”の美名の下に補助の手を差し伸べることは、(「景気の底割れを防ぐ」、という緊急的措置としては有効かもしれないが)中長期的に果たしてプラスと言えるのか、甚だ疑問に残るところである。

 参考) 池田信夫 blog 

「成長戦略とは何か」

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/e4e70748ce779a91b2d0846cd3a2fb72

「希望を捨てる勇気」

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/6f12938eaad206d10b7629456f0a051e

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2009年4月 7日 (火)

またまた「かんぽの宿」問題。

 またまた「かんぽの宿」問題について。本日も例によって、マスコミ報道は総務省の発表垂れ流し。

 『鳩山邦夫総務相は7日の閣議後記者会見で、日本郵政の保養・宿泊施設「かんぽの宿」と社宅の計21施設を対象に総務省が独自に実施した不動産鑑定評価額は148億円だったと発表した。これを基に、オリックス不動産に譲渡する予定だった79施設の評価額を推計すると250億円となり、昨年8月の日本郵政の鑑定額(133億円)の1.9倍に達するとしている。』とのこと。

 相変わらず、事業譲渡(しかも赤字事業)の売却価額と不動産評価額を混同。

「かんぽの宿」は250億円=日本郵政鑑定額の1.9倍-総務省推計
4月7日11時28分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090407-00000048-jij-pol

 色々ネットで関連記事を調べていたら、興味深いブログを見つけた。早稲田大学大学院ファイナンス研究科、川口有一郎教授のブログだ。川口教授によると、建物の評価額が2150億円である一方、土地の評価額が250億円にとどまっているというアンバランスが、「かんぽの宿」が事業として問題であることを如実にあらわしていると分析する。

以下、転載させていただく。

 『変だなと思ったことは、先に書いたように、最初の価格が、土地250億に対して建物が2150億円という部分。土地:建物の比率が1:9ということ。日本の不動産の土地建物比率は7:3というのが一般です。多めにみてもせいぜい5:5程度。

 つまり、土地の価格にみあった建設コストをかける、というのが普通です。土地の価格は立地によって決まります。土地の価格が安いというのはその土地が辺鄙なところにあるということを意味します。』

 さらに教授は鋭い分析を続ける。

 『本質的な問題は、「最終的な結果の責任を追及されない」仕組みにあります。無駄な建物を造って、後で現在のような問題、24000億円のものが100億円程度で民間に払い下げられる。そういう結果になった責任を、建設を決定した人がとらなくていいという仕組みに問題があります。』
 

 まさに、おっしゃる通り!である。にもかかわらず、マスコミ、特にテレビでは、単純に西川社長やオリックス不動産を悪と決め付け、それ以上深掘りすることは決してない。そこが問題なのだ、というのが私が一連の「かんぽの宿」問題を題材として採り上げ続ける理由なのである。

参考ブログ)

http://ykawaguchi.iza.ne.jp/blog/entry/903161/

追記:

しつこく「かんぽの宿」問題(というより、「かんぽの宿」を巡るマスコミ報道の問題)を取り上げ続け、関連ブログにトラックバックをし続けていたところ、金融コンサルタントの木村剛氏に当ブログの記事を引用していただいた。

http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-d732.html

駆け出しの中小企業診断士と、全国的に活躍をしているコンサルタントが、ブログを通じてつながる。Webの醍醐味、まさにここにあり。

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2009年4月 4日 (土)

「かんぽの宿」問題、マスコミが報じない事実。

 昨日、いわゆる「かんぽの宿問題」に関して、総務省が日本郵政に業務改善命令を発令した。しかし不思議なものだ。いくら民主党の小沢代表のスキャンダルや北朝鮮のミサイル発射問題など重要なニュースが目白押しとは言え、一時期あれだけ騒がれた「かんぽの宿」問題は、昨日の鳩山総務相の会見まで、ほとんど報じられることがなかったらからだ。

 ではその間、何もなかったのかというとそうではない。日本郵政のホームページには、2月20日から開催された「不動産売却等に関する第三者検討委員会」の議事録が公表されているのだ(昨日のブログ記事のコメントで初めて知った)。

http://www.japanpost.jp/information/other/

 第4回(3月13日開催)議事録に、興味深い記述が見られる。今回の「かんぽの宿」売却は、単なる”不動産売却”でなく事業譲渡であり、いわゆる「競争入札」のように札を入れて一番値段が高いとことに売ればよいものではない。にもかかわらず、『その点が上手く伝わらず「不動産売買」のイメージを持たれて』しまった点を、日本郵政(議事録では”会社”と表記)側が悔やんでいる。

 そして、そもそも鳩山総務相が指摘するように、オリックス不動産への事業場とは”出来レース”であったのか?議事録では、3社から2社に絞り込まれた経緯として、3番目の会社が「一次提案以降景気がさらに悪化したこと」を理由に辞退したことが記されている。

 いよいよ2社に絞り込まれ最終提案を受ける段になって、世田谷レクセンターを対象から外して(これに関しては、「交渉記録や社内での検討記録を残しておけば、もう少し透明性が高まったのではないか」と反省している)2番目の会社に伝えたところ、「値上げなんてとんでもない、値下げして欲しいくらいだ」といった反応を示したと言う。そして、”外部環境の激変”の最中に「オリックス不動産様が値段を上げてくれなかったら、休止したのではないかと思います」、と日本郵政は述べているのだ。

 これらのやり取りを踏まえた委員の発言として、「リーマンショック後の動きで、例えばもう一回これをやったらどうかというと必ずしも同じ答は出ない、むしろ苦しいんじゃないか」との見解を示し、「短期的に見ると、極めて上手い勝負をしたなという気がする。」、「限られた時間の中で選択肢の一つとしては、ブレイクさせずに成約に持ち込もうと思ったのは、気持ちとしてはよく理解できることだ」とコメントしている。

 これらの情報も踏まえると、「かんぽの宿」事業の売却問題は、果たして鳩山総務相のいう出来レースであったのか?、さらには一括売却を白紙撤回させたことは”国民の資産”を守る上で正しい判断と言えるのか?、はなはだ疑問が残るところだ。しかしマスコミは昨日の総務相の記者会見まで、これらの過程は何ら報道せず、さらに記者会見の内容も垂れ流すだけだ。これは不見識によるものなのか、意図してのことなのか?真実は不明だが、少なくとも「公平な報道」がなされていないことだけは明らかである。

参考ブログ) 『暴走を続ける鳩山邦夫氏』http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/3b7bb8aa4aab02885e39598f2cb6b4a4

『[時事]鹿児島県指宿市と鳥取県岩美町のかんぽの宿事件?の解明』

http://d.hatena.ne.jp/digicon/20090306/1236276317

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日米自動車産業 雑感。

 かつてダイエーが経営破綻直前まで行き、産業再生機構の支援を仰いだ際、大前研一や落合信彦、竹中平蔵など米国崇拝者は、「競争力を失った企業は市場原理に任せ、市場から淘汰されるべし。」と主張した。そして今、彼らが崇拝する米国において、GMが経営破綻寸前の状態だが、彼らの口から「GMは市場から淘汰されるべし」、といった意見は今のところ聞こえてこない。

 また、野口悠紀雄は、「日本は、いつまでもモノづくり産業ばかりに頼っているからダメなのだ。米国のようにIT産業が牽引する産業構造に脱却しなくてはいけない。」と主張していたが、GMが破綻寸前の状況下でIT産業がその雇用を吸引した、という話は聞こえてこない。確かにGoogleの時価総額が高いことは、賞賛すべきことかも知れない。しかし、GMの経営危機を米国政府の対応を見る限りでは、米国も何だかんだ言ってモノづくり産業に依存していることは確かなようだ。

 先週、高速道路一律1,000円の施策が始まった。かと思えば、本日の日経新聞によると、「政府はハイブリッド車など環境への負荷の低い自動車を購入を促す補助金制度を導入する」ことが、検討されつつあるようだ。2月26日のブログで、日本自動車販売協会の天野会長が「買い替え需要を喚起するための、政策を次々と打ち出してもらいたい」と国に要望したことを紹介した。

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-44da.html

 個人的には、「そもそも車に乗らない、買わないことのほうがエコであり、需要を喚起できていない自らの力不足を棚に上げ、国に要望した自動車業界のこうした要望は笑止だ」、との感想を持った。今でもこの考えは基本的に代わりはないのだが、何と言っても自動車産業は裾野が広い。次の産業が育つよりも、当面は自動車産業が元気になってもらうことが先決、ということか。

 

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2009年4月 3日 (金)

福井県の代表的企業「セーレン」の英断

 今から10年ほど前、仕事の関係で福井県の繊維メーカー「セーレン」に訪問したことがある。独自の染色技術によって精細な画像が染め付けられた、背丈以上の大きな布地を目の当たりにしたことが印象に残っている。

 そんな福井県を代表するメーカーが、受注量の激減によって新入社員に対し、半年間の「自宅研修」を命じた。皮肉にも、4月1日に、同社の川田達男社長が福井商工会議所の新会頭に就任したばかりだという。東証一部に上場し、しかも県庁所在地の商工会議所会頭が率いる企業が、内定取消で新聞沙汰になる訳には行かない。自宅待機の結論を下したのは、苦渋の決断であったに違いない。

 会社を傾ける経営者の中には、いわゆる”地元の名士”も多い。地元の名士は、”地域の目”、”世間の目”を気にしない訳にはいかず、経営状況が厳しいことを外部に知られたくないばかりに支出を減らすことが出来ず、結局経営を傾かせてしまうというケースだ。

 セーレンも、地元の目だけを気にするのであれば、予定通り新入社員を迎え入れるという結論を選択したかもしれない。しかし、事態はそれさえも許されない状況に合ったのだろう。何としてでも今の時期、稼働率を押さえることで余計なキャッシュアウトを抑え、在庫が積みますのを避け、かつ新入社員が路頭に迷わない方法として、新入社員は半年間自宅で研修、その間は給与の6割を支給、という選択肢をとるに至ったと言える。

 当事者である新入社員の、心理的な動揺や不安は計り知れないものがあると思われる。しかし、内定取消ではなく、「自宅研修」である。給与は6割とは言え保証されており、その間勉強して自らを成長させることが出来ることを、チャンスと捉えるしかない。彼ら、彼女らには、同社でがんばり続けるにせよ、そうでないにせよ、『エンプロイアビリティ(employability= 個人の“雇用され得る能力”)』と、『サバイバビリティ(survivability=生き残る力』を、大いに磨いてもらいたいものである。

福井の繊維メーカー、新入社員の7割に「自宅研修」命じる
4月3日13時48分配信 読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090401-00000312-mailo-l18

 「東証一部上場の繊維メーカー「セーレン」(福井市)が、1日の入社式直後にグループ会社を含めた新入社員101人のうち、大学院、大学、高等専門学校を卒業した72人に約半年間、自宅研修を命じていたことがわかった。

 同社によると、自宅研修になったのは、セーレンとグループ会社「KBセーレン」(大阪市北区)の生産ライン以外の新入社員。昨年末からの大幅な受注減による生産調整が理由と説明している。

 自宅研修の期間は6日から9月15日までで、資格取得のための通信教育を受講させるなどし、月に2回、集合研修を行う。この間、給料の6割を支給する。

 入社式直後に対象の新入社員に通知した際は、入社辞退の申し出などの混乱はなかったという。」

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かんぽの宿の結末は・・・

 たびたびこのブログでも話題にしていた「かんぽの宿」問題、総務省が日本郵政から提出を受けた段ボール17箱分の資料を基に、オリックス不動産への譲渡契約の経過を調べた結果を踏まえた処分が、本日決定した。

 記事によると、少なくともオリックス不動産への譲渡契約の経過については、十分な手続きを踏まえたとは言えず、鳩山総務相に「日本郵政のガバナンス(企業統治)に問題がある。取締役会が機能せず、執行役員らが独断で出来レースを作った」と批判されてしまう隙があったことは否定できないようだ。

 しかし、ガバナンスに問題があったことと、出した結論が正しかったかどうかは別問題だ。鳩山総務相は、オリックス不動産への一括売却を否認し、個別売却の方針を固めている。個別売却が今後、順調に進むのか、道のりは険しいといわざるを得ない。紀伊民報の記事によると和歌山県の田辺市と白浜町は、同士に存在する「かんぽの宿」について、売却打診があっても施設を買い取りしない方針を明らかにしたとのことだ。

 現在の経済状況下で、「ハコモノ」を買い取る財政余力のある地方自治体が果たしてどれくらいあるのか?手続き上の指摘を越え、売却そのものを白紙撤回させた鳩山総務相の判断が正しかったかどうか、その結論が出るのは、数年先のこととなるだろう。個人的には、その判断は間違っていた、と結論付けられるものと予測している。

 日本郵政に業務改善命令=「かんぽの宿」問題で鳩山総務相
4月3日15時23分配信 時事通信

 「鳩山邦夫総務相は3日午後、日本郵政の西川善文社長を総務省に呼び、保養・宿泊施設「かんぽの宿」譲渡をめぐる過程が公正性や透明性を欠いていたとして、日本郵政株式会社法に基づき業務改善を命じた。西川社長は「重く受け止め、きちんと対応していく」と答えた。」 

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090403-00000095-jij-pol

かんぽの宿「買う気ない」 田辺市と白浜町
4月3日17時3分配信 紀伊民報

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090403-00000001-agara-l30

 「日本郵政の宿泊保養施設「かんぽの宿」の売却問題で、施設が立地する田辺市と白浜町は、売却打診があっても施設を買い取りしない方針を明らかにした。両市町とも宿泊施設自体の事業継続を望むものの、自ら資金を出す財政的な余裕はないとしている。
 「かんぽの宿」の売却問題で、日本郵政は、鳩山邦夫総務相からオリックス不動産への一括売却を反対され、地元自治体や経済界に打診し、個別売却を模索する方針を示している。」

参考 : 「かんぽの宿」に関する過去の投稿記事

 http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-82c8.html

 http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-8353.html

 http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-e7b7.html

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好調ユニクロ、スズキのアキレス腱

   ユニクロ(ファーストリテイリング)とスズキは、いわゆる”100年に一度”の大不況の中で好業績を続ける、数少ない勝ち組企業の代表であることは、誰もが認めることだろう。

 ユニクロは、他のアパレル企業や百貨店における衣料品売上が軒並み大幅減収を続ける中、3月の国内既存品売上高が前年同月比7.0%増を実現。業績好調の要因は、単に「ヒートテックのヒット」というブームに終わっていないことを実証した。

 スズキは、さすがに増収増益とまではいかないが、トヨタが赤字に転落するような経営環境ながら、迅速な経営判断によって在庫を圧縮、利益のマイナス幅を最小限にとどめていることは、前回のブログで紹介したとおりである。

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-7782.html

 ところで、注目すべき両社の共通点がもう一つある。それは両社とも、代表取締役(ユニクロ:柳井正氏、スズキ:鈴木修氏)は”会長兼社長”であり、いずれも一旦会長に退き更新に社長を任せながらも、各々の事情によって社長に逆戻りしている、ということである。この厳しい経営環境の中で結果を出し続ける柳井氏、鈴木氏の経営手腕は、賞賛に値する。しかし、経営者の最後にして最大の仕事といわれる、”後継者の育成”に関しては、合格とは言えず、両社の将来に一抹の不安を抱かせる。

 ユニクロの前社長である玉塚元一氏は、2002年に39歳の若さで社長に抜擢されたものの、2005年に同社を去り、以降柳井氏が社長を兼ねることとなった。さらに本日の日経MJによると、本年2月に同社取締役の松下正氏の辞任が発表され、ユニクロの取締役は何と柳井氏一人になった、とのことだ。かねてより、「65歳で引退する」と公言している柳井会長。残された時間はあと5年、引継ぎ期間を考慮に入れると、さらに短い。果たしてそれまでにユニクロを支える経営チームは構成されるのだろうか?

 スズキに関しては、先日読んだ鈴木修氏の著書、『俺は、中小企業のおやじ』に詳しい経緯が書かれている。2008年12月10日に同社社長の戸田紘氏が健康問題で社長を辞任、同社を取巻く経営環境が非常事態、ということもあり、鈴木会長の社長復帰が発表された。同書によると、彼が後継者と見込んでいた娘婿の小野浩孝専務は、2007年に52歳の若さで他界、鈴木氏の思い描いていたシナリオ通りにことが運ばなかったという不運もあったようだ。

 78歳という高齢ながら、まだまだ社長として企業を牽引し続けようと言う、同氏の気力・体力には感服させられる。しかし、たとえ経験不足であっても同社の舵取りを任せよう、という人材がいなかったのか、はたまた鈴木氏の目に留まらなかったのか、この社長交替劇には疑問が残る。この発表によって、3兆円を超える大企業が「人材不足」を社外に露呈するということになりかねはしないか?また、社内でも「いつまで経っても責任ある仕事を任せてもらえない」というモチベーション低下につながらないか、懸念されるところである。

 鈴木会長いわく、「売上高3兆円といっても、それは取扱高に過ぎない。鈴木の生み出した付加価値額は3,000億円~5,000億円に過ぎない、だからまだスズキは中小企業だ」、とのことだ。3,000億円は、十分大企業だと思うのだが、そのあたりの感覚の違いには敢えて触れない。いずれにせよ、柳井正氏、鈴木修氏が「いつ」、「誰に」社長の座を譲るか、それが今後の両社の将来を左右するとともに、柳井氏・鈴木氏、両氏の経営者として真の力量を測る重要な指標となることであろう。

 

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