経済のサービス化、すなわちオールマーケティング時代。
先日、東京にてのセミナーに出席したところ、ダイヤモンド社のカリスマ編集者である飯沼一洋氏の言葉に感銘を受けた。彼曰く、「マーケティングとは人の心理を深く知ること、すなわち愛だ」、ということだ。
参考)飯沼一洋氏のブログ 『「日本ベスト10」に3冊入れる編集者のブログ』
http://ameblo.jp/iinumakazuhiro/
”愛”とまで言われると、少々気恥ずかしい気がするが、セブン・イレブンの創始者である鈴木敏文氏も「マーケティングとは心理学だ」といっており、違った分野のトップランナーが共通して言っているこの言葉は、普遍的な真理であると言える。
さて、「経済のサービス化」と言う言葉が言われて久しい。平成17年の中小企業白書では「サービス経済化と製造業のサービス化」という表現を用い、『徐々に消費構造が「モノ」から「サービス」へとシフトしている(第2-1-16図)。こうしたサービス経済化の動きがみられるのは、サービス業の増加だけにみられるものではない。製造業において~中略~ソフトな経営資源への投資ウェイトが高まっている。』と述べている。
すなわち、今までは「モノ」を作っていればよかったが、今後は製造業においてもサービスの重要性がますます高まることは間違いない。そのためには、経営者から末端の従業員に至るまで、マーケティングすなわち顧客の心理に対する深い洞察が求められる、ということが言えるだろう。
さて、本日の日経新聞によると、折からの不況でいわゆる「派遣切り」が進む中、製造業からサービス業に人材がシフトしつつあるが、そこで上手く適応できない人材には、「モノ」づくり出身者が多い、とのことだ。特に介護・福祉業界は、この時勢は深刻な人手不足の解消の絶好のチャンスであるわけだが、労働環境の厳しさや待遇の低さという外的な要因に加え、「人と接するのは苦手」という製造業出身者の内面的なハードルもネックになっているのではないか、と推測している。同記事で服部万里子・立教大学教授は「介護は人と人がかかわり合う究極のサービス業」と述べているが、黙々と「モノ」づくりに従事してきた人にとって、人の心理に関わるサービス業への転換は、容易ではないのだろう。
「製造業もサービス化が進む」という中で、ひたすら部品のように作業だけしてきた(させられてきた?)人々を抱え、そして用がなくなれば放り出す、そうした”ツブし”の効かない人材を抱え続けてきたメーカーが悪いのか?はたまた、それに甘んじてきた個々人が悪いのか?いずれにせよサービス化が進めば進むほど、一人ひとりが「人間の心理」に無関心でいられなくなるのは、間違いない。
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