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2009年2月28日 (土)

SONY、終わりの始まり?

 かつて竹中平蔵やウシオ電機会長の牛尾治朗氏は、「日本の輸出産業はグローバルな競争にもまれているから強い」、と評していいた。しかし、いわゆる”リーマンショックに端を発する米国発の世界的不況”の波をモロに受け、長らく日本の経済と雇用を支え続けてきた自動車産業と電機産業が収益基盤の脆さを露呈し続けている。

 業績好調の足元で、じわじわと電機のコモディティ化や車離れが着実に進行しつつあった訳だが、マイナスの波が一気に押し寄せた局面に対して、いずれの企業も意外なほどに脆かったことに対し、多くの日本人が戸惑いを隠せないようだ。昨年まで新聞紙面を賑わせていた各社の”最高益更新”は、政策的に進められてきた円安と米国の浪費社会の恩恵を多大に受けていたことによる”上げ底”の企業力であった。

 「”モノづくり大国日本”の復活なくして日本経済の復活なし」、との意見は未だに根強い。野口悠紀雄に言わせれば、「モノづくり幻想が日本経済をダメにする、産業構造の転換が今こそ必要だ」、ということになるのだが、少なくとも、あらゆるものが急速にコモディティ化する現在においては、高い技術力でニッチ市場のオンリーワン企業を目指すか、アップルや任天堂のようにソフト面での”着想力”、”市場創出力”なしに、日本の製造業はグローバル競争で戦って行けないだろう。

 食品分野においては、”国産”が一つのブランドになったといえる位に尊ばれている感があるが、家電分野でこうした”国産”に過度な期待を寄せていたとしたら、それは甘すぎる。それが証拠に、”5万円PC”の代名詞がついたネットブック市場は、もはや台湾メーカーの独壇場だ。2月17日の日経新聞によると、白物家電においてもハイアール、LGなど中韓メーカーが製造する低価格商品の売上高を伸ばしているとのことだ。これは、節約志向の高まりに加え、「顧客が以前ほど国内メーカー製にこだわらなくなった」という潮流も見逃せない。

 このような状況の中、本日SONYの中鉢社長の退任とストリンガー会長が社長も兼務することが発表された。

ソニーのストリンガー会長が社長兼務、中鉢氏は退任・副会長に
2月27日22時53分配信 ロイター

ソニー<6758.T>は27日、ハワード・ストリンガー会長兼CEO(最高経営責任者)が社長を兼務し、中鉢良治社長が副会長に退く首脳人事を発表した。4月1日付。
 同社は世界的な経済危機の影響で2009年3月期(今期)に1500億円の当期赤字となる見通しで、経営建て直しの最中になる。ストリンガー会長は同日夕方に記者会見し「次のレイヤー(階層)を設ける必要はない」などと社長を兼務する理由を語り、中鉢氏の処遇は更迭色が強いことをにじませた。(後略)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090227-00000385-reu-bus_all

 確かに中鉢氏は、外部から見てもそれまでのSONY社長と比べて存在感に欠けた感は否めない。かと言って、ストリンガー会長の掲げる「エレクトロニクス製品とネットワークとの連携」といったビジョンはいまいちピンと来ない。そもそも、このフレーズは前会長である出井伸之氏が唱え続けており、抽象的な言葉としてもっともらしく聞こえるものの、具体的にどう収益につなげていくのかは不明瞭なままだ。

 これがSONYの”終わりの始まり”にならないか、いや~な予感が漂いまくる、本日のニュースであった。

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2009年2月26日 (木)

『新三種の神器』の曲がり角

 『新三種の神器』なんて、もはや歴史上の用語の感がある。日本が高度経済成長の時代に普及した、自動車(Car)、カラーテレビ(Color TV)、そしてクーラー(Cooler)のことを指す言葉なのだが、いずれも頭文字が”C”なので3Cとも呼ばれた。

 最後のクーラーはともかく、前の二つ(自動車&テレビ)は昭和から平成、20世紀から21世紀を経た現在、大きな曲がり角を迎えている。短期的には、世界邸名景気の悪化に伴う業績不振が顕在化しているが、中長期的に見れば『車離れ』、『テレビ離れ』が若い世代を中心に、着実に進んでいる。

 日本自動車販売協会連合会(自販連)の発表によると、2008年度の新車平均保有年数が8年を上回り、過去最長になるとの見通しとなる、とのことだった。これに対し、同会の天野会長は、『「買い替え需要を喚起するための、政策を次々と打ち出してもらいたい」と国に要望した』、とのこと(2月25日8時34分配信 フジサンケイ ビジネスアイ)。

 需要を喚起できていない自らの力不足を棚に上げ、国に要望したとは笑止だ。交通網が発達し、かつ駐車場代が高くつく首都圏・関西圏など大都市圏においては、特に若者の車離れが顕著だという。昭和の時代は車を持つことがステータスだったかもしれないが、価値観が多様化した現在において、車を持つ意義は薄れつつある。

 また自動車業界は盛んに『エコ』を唱えているが、そもそも車を買い替えない、持たない、乗らないことが一番エコだ。どんなに燃費の良い車や、(そもそもエコなのか疑問だが)バイオエタノールの車の乗るよりも、公共交通機関で移動する方がエコとして遥かに説得力を持つ。

 同じく、長らく茶の間(死語?)における娯楽の王様であったテレビの存在意義も揺らいでいる。主要キー局の今期決算は軒並み減収減益の見通し、中でも日本テレビとテレビ東京は何十年ぶりかの赤字転落だという。短期的には景気の悪化に伴う企業からの広告費収入の減少が原因と言えるが、では国内の景気が回復したらテレビ局への広告収入は増えるか?と言えば答えは「No」であろう。

 テレビ局自体(特に民報)の怠慢による安易な番組づくりに加え、インターネットや携帯電話、さらには任天堂Wiiなど、テレビと競合するメディアや娯楽の台頭によって、もはやテレビは娯楽の絶対的な王様たり得なくなっている。にもかかわらず、目先の視聴率欲しさに、各局横並びのバラエティ志向は変わらず、昨年のゴールデンタイムにおける視聴率No.1は皮肉にもNHKであった。このことは、視聴者が騒がしいだけの民報番組から着実に離反していることを象徴的に表している事実と言えるだろう。

 自動車・テレビのいずれも、昭和・20世紀の時代において、確かに我々日本人の豊かな生活実現のために大きく貢献し、絶対的な王者であり続けてきた。今後もこれらなしの生活はあり得ない。しかし、その位置づけは着実に小さくなっていくであろう。そうした長期的トレンドを受け止めるのか、それとも抗う(あらがう)のか、その認識によって経営の舵取りは大きく変わってくるであろう(自動車産業、テレビ業界に限らず)。

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2009年2月25日 (水)

いつまで野放し?商標の危険性Ⅲ

以前(2008年2月18日)ブログで、宮城県のある企業が「吉田松陰」、「高杉晋作」、「桂小五郎」を商標登録し、萩市がこれに抗議をした、との事件を紹介した。

商標独占の危険性Ⅱ
http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_db96.html

「喉元過ぎれば熱さ忘れる」ではないが、またまた同じような事件が発覚。今度は大隈重信だ。

<「大隈重信」>福島の会社が商標申請 早大「看過できず」

2月24日21時14分配信 毎日新聞

早大創設者で元首相の大隈重信(1838~1922)の名前を、福島県須賀川市の食品卸小売会社が特許庁に商標登録申請していることが24日分かった。早大は「看過できない」として、特許庁に登録を認めないよう要請する。

 特許庁によると、申請は昨年7月1日付で、商品の種類は日本酒、洋酒、果実酒など。同社は清酒や食品の販売を手がけている。商標法は歴史上の人物について規定がなく、これまでに吉田松陰らの名前が商標登録されているという。

 早大広報課は「本学の創設者であるだけでなく、政党内閣の最初の首相を務めるなど、近代日本に大きな影響を与えた人物。商標登録は好ましくない」と話し、登録を認めないよう特許庁に求めるという。同庁総務課は「商標登録は公序良俗に反しないことが条件であり、審査官が個別のケースごとに判断する」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090224-00000110-mai-soci

  従来は、「地域の名称」と「商品(役務)の名称」のみ等からなる名称について商標登録の対象からはずされていたが、平成17年の商標法の改正によって一定の要件を満たすことによって”地域団体商標”として認められることになった。一方で、歴史上の人物に対しての規定はなく、「公序良俗に反しないかどうか、審査官が個別のケースごとに判断する」とは、いかにも乱暴な気がする。

 とはいえ、では誰が歴史上の人物の商標権を誰が有すことが適当か、限定するのも困難だ。「吉田松陰」、「高杉晋作」、「桂小五郎」の場合は、彼らゆかりの地である萩市が、大隈重信の場合には早稲田大学が抗議を行った。

 やはりこれらは天下のもの。特定の個人・団体が独占するのは好ましくない。福島県の会社に関しては、大隈重信の商標登録申請を取り下げたようだが、こうした事態が再発せぬよう、一定のガイドラインを早急に設けるべきではないだろうか。

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2009年2月18日 (水)

ブルーレイ普及のためには・・・。

 DVDに続く次世代規格のデファクトスタンダード争いに終止符が打たれ、HD DVDが撤退してブルーレイ(Blu-ray)陣営が勝利したのが、今日からちょうど一年前の2月19日。規格争いとしてブルーレイが勝利したものの、未だDVDからブルーレイへの転換が着実に進んでいるとは言いがたい。

 昨年後半からの景気の減退も影響もあるだろうが、そもそもハイビジョン録画はハードディスクにすればよく、あえてブルーレイディスクに落とす必然性を感じる消費者が少ないからであろう。これについては、ジャパネットたかたの高田社長も指摘していることを、先日のブログで紹介した。

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-ae2f.html

 そしてもう一つ、(これは鶏が先か卵が先かという話になるが)まだまだブルーレイのソフトが少な過ぎる、ということもあると思われる。

 私個人としては、TV番組を録画してまでも見たいという思いは少なく、現在でもDVDは再生専用プレーヤーである。もっぱらDVDはプロジェクターに投影し、映画やライブを鑑賞しているわけだが、大画面で見るとさすがにDVDの画質の粗さが目立ち、ハイビジョン映像で堪能したくなってきている。

 そこで家電屋に行って再生専用デッキを探すのだか、これがほとんど売っていない!家電屋もメーカーも、価格が安く儲けが少ない再生専用デッキを売る気はないのだろう。店頭には、10万円を超える大容量ハードディスク搭載のブルーレイレコーダーばかりが並んでいる。

 しかしこのご時勢、10万円を超える買い物を気軽に出来る消費者は、昨年よりも遥かに少なくなっていることは間違いない。今週の週刊東洋経済によると、ハイビジョンTVにおいても10万円以下で購入できる36インチ~32インチは売れて行くものの、40インチ以上の高額商品の売れ行きは鈍化しているとのことだ。

 ようやくシャープやソニーから、3万円台で購入できるブルーレイの再生専門デッキが、昨年末から発売されつつある。ここは思い切って、各メーカーとも格安の再生専門デッキを発売することで、ブルーレイの普及を図ってはどうか。ハードが普及するれば、それに倣ってソフトの発売にも弾みがつく。

 魅力的なソフトが出揃うことが、ハード普及の追い風になることは、任天堂のファミコンやソニーのプレイステーションの例からも明らかである。一般の人々のブルーレイ購入意欲を十分に刺激するくらいにレンタルビデオ店のブルーレイコーナーが充実してきたら、ようやく高価格帯のブルーレイレコーダーの販売も軌道に乗ってくるのではないだろうか。

 そうすれば、再生専用で良いと考える私のような消費者が、一番メリットを享受できるのだが・・・。

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2009年2月17日 (火)

坊主憎けりゃ・・・

 日本郵政は16日、総務省に「かんぽの宿」の入札資料を提出、改めて譲渡先選定は公正であること主張した。それに対して鳩山総務相は、「言い訳のオンパレード」、「見苦しい」と資料を酷評。しかし、提出された資料に目を通したわけではなく、単に印象批判したに過ぎないようだ。

 それどころか、その前日のTV番組では、「かんぽの宿」の売却そのものを白紙に戻し、日本郵政が運営し続けて黒字化を目指す構想までぶちまけた。ここまで来ると、もはや支離滅裂である。「売り先がオリックスだから気に入らない」から始まって、「だから売るの止ーめた」、では子供である。

 昨日のNHKニュースを見ていたら(いつも情報はここから)、かつてかんぽの宿で、今は民営企業が運営している施設が紹介されていた。かつてのお役人体質・高給取りの運営体制から脱却し、人件費は半減、サービスは向上し、収支も黒字に転換したとのことだ。

 鳩山総務相は本当に熟慮して、「かんぽの宿」の売却そのものを見直すと言っているのか。このままお役人体質のまま、日本郵政が保有し運営し続けることが、日本郵政にとって正しいことだろうか?世の中は、中山財務相の辞任ばかりに注目が集まっているが、「かんぽの宿」問題についても、引き続き注視して報道してもらいたいものだ。

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2009年2月16日 (月)

「電機」全滅。

 本日、2008年10月~12月のGDPマイナス幅が12.7%と判明、戦後最悪の不況に突入したといわれる現在の日本経済。その原因は、自動車産業や電機産業を中心とした輸出産業主体の産業構造が一向に変化しなかったばかりか、近年これら輸出産業が世界的好況(特に米国経済)の波の乗ったことによって、幸か不幸か日本経済復活の牽引役となってしまった、その反動が今モロに来ていると言える。

 そんな輸出産業の中枢である一つである電機産業が、今期は軒並み赤字に転落の見込みとなり、”派遣切り”は言うに及ばず、来年度には”正社員切り”までもが現実のものとなりつつある。

 今週の週間ダイヤモンドの特集は、その名もズバリ『「電機」全滅!』。この記事において、電機産業は”いくつかの誤算”があったと指摘する。その中で特に興味深いのは、メーカーが売りたい製品と消費者が欲しがる製品には乖離があった、具体的にはメーカーは36型以上の大型TVを売りたい、しかし消費者は32型以下に流れていった、とのこと指摘だ。

 少なくとも小さな家屋に住んでいる日本市場において、40型を越える大型TVの市場がそんなにあるとは考えにくい。これら大型TVを購入するのは、映画マニアを除けば小さな文字が読みにくくなったお年寄り層に限られる、との指摘もある(ちなみに私も映画鑑賞が大好きだが、TVはハイビジョンながら20型で我慢、映画はもっぱらプロジェクターで投影して大画面を堪能している)。

 今後のトレンドとしては、家族みんな揃って居間でTVを見るというよりも、(良いか悪いかは別として)個室で一人好きな番組やDVDを見る、という方が主流ではないか。そうであれば、むしろ20型前後のTVを10万円以下の手ごろな価格で購入したい、といった市場の方がはるかに裾野が広いと考えられる。

 ところが、日本の家電メーカーは、こうした中型~小型のTVをつくっても余り儲からないので、利益率の高い大きなTVを売りたがっている。しかしそれはあくまで売り手の都合である。今や、いくらメーカーが売りたい製品であっても、消費者ニーズからかけ離れていては、いくらマスメディアで広告を流したところで消費者が飛びつく時代ではないのである。

 先日のブルーレイレコーダーの話題でも指摘したとおり、消費者ニーズを十分踏まえることなく、日本の家電メーカーはお決まりのパターンとして高機能・高価格路線に邁進してしまう。「売りたいものを売る」のではなく、消費者が求めているもの「創って」・「作って」・「売る」、それでもなお利益が出る仕組みづくりを怠ってきたツケが、今ここに来て顕在化してきている、と言えるのではないだろうか。

 未だに日本メーカーは、物不足の時代の消費者に新製品を供給するという、”プッシュ”型商法から脱却しきっていなかった。そして日本経済は、外需依存型・ものづくり産業依存型経済から脱却しきっていなかった。今は、そこから脱却するための生みの苦しみの時期に差しかかった、と言える。

 今までの産業構造を前提に、「欧米の景気が回復すれば日本経済も回復する」といった期待を持つのではなく、「欧米の景気が回復せずとも、日本の経済を回復させる」、そのために何をすべきか、我々は真剣に考えていく必要がある。そのためには、成熟した消費者の心に潜むニーズをいかに捉えるか、が鍵となることは間違いない。

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今日のトップニュースは・・・

 内閣府が本日発表した2008年10月~12月のGDP速報値は年率換算でマイナス12.7%、これは私が生まれたオイルショック時に迫る35年ぶりの減少率ということだ。この数年、自動車・電機を中心とした外需依存型経済(しかもそれは米国の浪費に支えられてのこと)の負の側面が、モロに出た格好だ。

 そんなショッキングな事実が発表された日、NHK9時のニュースでのトップニュースは中川財務省の酩酊記者会見騒動・・・。NHKですらこんな状況、民法は推して知るべしだろう。麻生内閣は確かに失点続き、しかしその揚げ足取りばかりしている野党を応援している場合か!といいたくなるような、今日の一報であった。

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2009年2月15日 (日)

コーヒー一杯で・・・

 名古屋と言えば喫茶店、そしてモーニング。私もこの地でおなじみの喫茶店チェーン『○メダ珈琲店』の常連である。最近通い始めた最寄の○メダも、休日のモーニングタイムは満席状態だ。私は資格取得に際し、スクールに通う習慣がなく専ら独学なのだが、ネットやTVから隔離されていることもあり、集中して勉強できる場として、喫茶店は非常に重宝している。

 ところが、昨日の『日経プラス1』によると東京や大阪のコーヒーショップやファミリーレストランでは、コーヒー一杯で長時間居座るのは、どうやらご法度らしい。東京のとあるコーヒーチェーンで2時間以上勉強したところ、店員の視線が妙に気になり「ここで勉強するのは問題ですか」と尋ねらところ、「勉強はご遠慮いただいています。」との回答が返ってきたとのこと。また、大阪のとあるファミレスでは、「混雑時の長時間にわたるお勉強を目的としたご来店はご遠慮いただいております」といった掲示がしてあるらしい。

 確かに、わずか400円程度で何時間も居座られては、客の回転率は落ちてしまい経営上好ましくない、と言える。しかし、目先の客回転率だけを追求して長時間居座るお客を排除することは、長期的に正しいことかどうかは別問題である。

 マーケティング用語に、LTV(Life time value=生涯顧客価値)というものがある。市場のパイが限られた現代においては、新規の顧客を獲得するよりも既存顧客に長期に渡って利用してもらったほうが、収益にプラスである、という考え方である。具体的には、新規顧客を獲得するよりも、既存顧客維持のほうが遥かにコストがかからない(一説には1/4程度)上、安売りに飛びつく顧客が一定割合で含まれる新規顧客よりも利益率も高くなり、新商品も受け入れられ易い、といった効果が期待できるということだ。

 こうした観点で考えてみると、コーヒー一杯で粘る客を果たして排除してよいものか?少なくとも、「長時間の勉強はご遠慮願います」といわれた客は、その店の利用頻度はぐっと下がるだろうし、二度と利用しないかもしれない。また、コーヒー一杯で粘る客は、毎回コーヒー一杯しか飲まないか?少なくとも私はこれに当てはまらない。午前中にモーニングサービスを頼んだ後、それだけで居続けるのは申し訳ない、と昼ごろにもう一品頼むこともある。人によっては、仲間を連れての来店もあり得るだろう。

 東京・大阪の都心に立地し十分客数が見込め、行きずりの来店客が中心であれば、「長時間の勉強はご遠慮願います」とした方が、確かに経営上正しい選択だろう。しかし、地域に密着してリピーター重視の店舗であれば、コーヒー一杯で居座る客に対して決していやな顔を見せてはならない。少なくとも名古屋の喫茶店は、時間を気にせず席に居続けていられるような店であってもらいたいものだ。

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2009年2月14日 (土)

新たな需要は「カイゼン」ではなく「革新」から生まれる。

 最近、小型プロジェクターの人気が高まっている。少し前にカシオがA4のノートPC位のプロジェクターを発売し、至るところで目にするようになったが、カシオが目指していた”一人一台プロジェクター”までのムーブメントが起きたとは言いがたい。しかし、今度は違う。小型と言っても、「従来品より少し小さい」というレベルではない。携帯電話並みの小ささ、超小型プロジェクターである。 

 その代表格、Optoma社の「pocket projector PK101」はLEDを光源に採用し、重量はわずが120g、価格も5万円を割っており、従来のプロジェクターから考えると革命的な大きさ・価格だ。 津用差をこれら超小型プロジェクターの登場は、プレゼンや会議におけるプロジェクター使用の頻度をグッと増やし、ビジネスの現場において”プロジェクター一人一台”の時代が到来するかもしれない、そんな期待を抱かせる(ただし、同製品は直接PCにつなぐことは出来ず、むしろiPodとの連携の売りにしているようだ)。

参考URL

http://bcnranking.jp/news/0901/090114_12886.html

http://av.watch.impress.co.jp/docs/20090111/dg109.htm

 従来ジャンルから革命的製品の登場によって市場が大きく広がった例として、古いところではCD(コンパクトディスク)が挙げられる。CDは、そのコンパクトさとクリアな音質によって、レコード市場を大きく拡大させた。同様に、デジカメは①その場で確認できる、②プリンタで印刷できる、③データなので簡単に消去やコピーができる、といった革新的な利便性によってカメラ市場を大きく拡げた。

 最近では、iPODがディスク交換の煩わしさから開放し、その洗練されたデザインと操作性によって、携帯型音楽プレーヤーのデファクトスタンダードとなった。市場は少し小さいが、EDIROL社の高音質録音機R-09の人気爆発によって、他社からも類似製品が続々と発売され、音楽用ICレコーダー(PCMレコーダー)のジャンルが確立した。そして度々このブログでも取り上げている通り、絞り込んだ機能と圧倒的な低価格でネットブック(ミニノート)が昨年大ブームとなったのは周知の通りである。

 いずれも共通しているのが、従来品の延長上ではなく、ユーザーが求めている本質的なニーズに着目し、価格、サイズ、操作性など、あっと驚く「何か」を打ち出すことで、新たなジャンルを切り拓いてきたということである。もはや、従来製品の「カイゼン」程度の製品では、成熟社会に生きる我々消費者の財布の紐は簡単には緩まない。革新性なき製品は、単なる「パイの奪い合い」、「価格競争を中心とした終わりのない消耗戦」に陥ってしまう。

 「景気が悪いからモノが売れない」、そう嘆く前に、ユーザーが求めている「本質的なニーズ」とは何か、それを徹底的に考え抜き、具体的な商品・サービスとして展開する、そこに未来が待っているのではないだろうか。

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「かんぽの宿」譲渡 白紙撤回は是か?

 鳩山総務相の強烈なリーダーシップによって、ついに「かんぽの宿」譲渡が白紙撤回に決まった。昨年12月26日に日本郵政は、「かんぽの宿」を109億円でオリックス不動産への一括売却を発表。しかし、年明けに鳩山総務相は、売却先が郵政民営化を検討した当時の総合規制改革会議議長だった宮内義彦がトップを務めるオリックスのグループ企業であったことに疑念を示し、当初はその売却価額が「安すぎる」という観点からの物言いが相次いだ。

 先日のブログでも書いた通り、総建設費がいくら2400億円かかろうと、事業用資産の売却は今後どれだけキャッシュを生むかに主眼が置かれる。ましてや今回は一括売却、しかも雇用維持が国会決議で義務付けられており、「持っているだけで赤字」の物件が安く査定されるのは、致し方がない。またその資産価値は、売却先の事業運用能力によって大きく異なるものであるので、単純に各社を較べて「高い」・「安い」を論じるのはナンセンスでなのである。

 中にはオリックス不動産をはるかに上回る入札額で手を挙げた業者もあったようだ。今週の週刊文春によると、400億円の入札額を提示した企業「日本リライアンス」は、設立からわずか4年目、08年5月の純利益はわずか62万円という、甚だ心もとない事業基盤であったとのこと。ジャンルは違うが、当時新進気鋭の経営者である堀江貴文率いるライブドアが近鉄バッファローズの球団買収に手を挙げたのが思い出される。

 今では信じられないが、当時は相当にライブドアが世論を獲得したものだった。ライブドアが近鉄バッファローズを買い取っていたら、今頃プロ野球はどうなっていたであろう。このことからも、事業の売却は「高く売れればそれでよい」、というものでもないことが、よくわかってもらえるはずだ。

 リーマンショック以降の不動産市況の大幅な悪化を受け、10月31日付の入札では3社のうち住友不動産は辞退、のこる2社はオリックス不動産とHMIであった。この時点でオリックス不動産は90億円、HMIは(最終入札で譲渡対象からはずされたレクターセンターを除くと)わずか61億円だったという。

 鳩山総務相が「安すぎる」と指摘した109億円という価額に関して、オリックス不動産と最後まで争ったHMIの購入希望価額は、その半分程度しかないのである。この事実だけ考えても、オリックス不動産への譲渡価額が109億円が「安すぎる」と断じるのは、いかにも短絡的な話である、と言える。このことをどうしてマスコミは報道しないのか、不思議で仕方がない。

 確かに、手続きの不透明さから日本郵政は足元をすくわれた感があり、西川社長はそれに対する説明責任はあるかもしれない。しかし、現段階で「かんぽの宿」の譲渡を白紙撤回させ、しかも一括売却でなく個別売却にシフトすることについては疑問が残る。鳩山総務相は、「かんぽの宿」の譲渡を”静的”な問題と捉えているようだが、事業や事業用資産の売却は”動的”に対処しなくてはならない。

 ましてや、今のような先行き不透明な経済情勢であれば、個別物件すべてに果たして買い手がつくのか?買い手がつかなければ、そこで働く人たちの雇用は保証できなくなってしまう。仮に買い手はついたとしても、オリックス不動産よりはるかに低い価額で売却せざるを得ないことも大いにありうるだろう。

 また、結果的に同様の価額で譲渡できたとしても、譲渡時期が後ろにずれ込めば、その期間日本郵政は赤字を引き受けなければならない(本日の日経によれば年50億円規模とのこと)。

 後々、「あのときオリックス不動産に売るのがベストの選択だった」と嘆くことがないよう、鳩山総務相以下、最善を尽くしてもらいたいものだ。

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2009年2月13日 (金)

成熟社会こそ、「引き算経営」を!

 連日のように報道される景気悪化のニュース。そうした中でもしっかり業績を伸ばしている企業はある。ユニクロやマクドナルドは、その代表と言えるが、彼らの躍進の要因は決して「安さ」だけではない。成熟した日本の消費者には、「安かろう、悪かろう」は通じない。「ヒートテック」に代表されるように、しっかりとした品質と適正価格、そのバランスが最適であることが、日本の消費者の心をグッとつかむことが出来ると言える。

 度々このブログで取り上げているネットブック(ミニノート)も、その代表と言えるだろう。メーカーが売りたいのは、機能満載の高額PC、しかし一般消費者がノートPCに求めるのは、必要最小限の機能と手軽な価格であった。

 昨年、ハイビジョン戦争でHD‐DVD規格を駆逐したBlu-ray陣営。しかし、その割りにDVDに取って代わるほどの勢いがあるとは言い難い。昨年の北京オリンピック特需も期待したほどでなく、下半期の世界的な景気の悪化もあって、年末商戦は飲み悩んだ。しかし私が考えるところでは、Blu-rayの普及が伸び悩んでいるのは、上記に書いたように、メーカーが高く売りたいがために機能をゴテゴテと付けすぎているからではないだろうか?

 基本的に私は、TV番組を録画してまでも見たいとは思わない。今でもDVDプレーヤーは再生専用だ。したがって、早く手ごろな値段で再生専用のBlu-rayプレーヤーはないものか、と待ちわびていた。しかし大手家電メーカーが発売するのは、専ら録画機能もつき、大容量HDDもついた十万円超の製品ばかり。

 先週の「日経ビジネス」の特集は奇しくも「引き算経営」。特集の中で非常に興味深かったのは、ジャパネットたかたの高田社長のインタビュー。高田社長の洞察によると、「一般の方はハードディスクに録画したら、大半の人一回見たら消去する。消去はしなくてもハードディスクに保管し続ければよいところを、敢えて高画質のBlu-rayディスクに保存する、なんて人はどれ位いるのか。私がBlu-rayレコーダーをおススメすることに気が引けるのは、メーカーの押し付けによる機能によって消費者が高い買い物をさせられている気がするからだ」、と。

 常に消費者、生活者目線で製品の価値を判断し、視聴者の心を捉え続けている高田社長の目は、正鵠を射ている。TV番組をとりあえず録画しておきたい一般消費者、私のように市販のBlu-rayディスクの映画を見たい映画マニア、どちらにもBlu-ray録画機能は大して必要がない。前者は、大容量のHDD付きDVDレコーダーで事足りるし、後者は録画機能のないプレーヤーで事足りる。この事実に目をそらし、いつまでも機能満載の高額製品を売り続けるようでは、Blu-rayの本格普及も、家電メーカー復活もありえないだろう。

 ちなみに、私は近日中にBlu-rayプレーヤーを購入する予定。候補はSONYのブルーレイディスクプレーヤー 『BDP-S350』。AMAZONで3.5万円弱で購入できるので、かなりお値打ちと見て良いだろう。後は、いかに映画を見る時間を捻出するか。そもそも未見のDVDが自分の部屋に30本近くある。まずはそれを早く見るのが先決ではあるが・・・。

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2009年2月 8日 (日)

賽は投げられた、ルビコン河を渡れ。

 上記の言葉は、ローマ時代の軍人、ユリウス・カエサルがポンペイウスとの戦いにおいて、不退転の決意を示すために発したものと言われている。アメリカ合衆国のオバマ大統領は、「Change!Yes,we can」をスローガンに当選を果たしたが、今の時代この「Change」は決して軽いものではなく、『ルビコン河をわたる』くらいの覚悟が必要な、劇的な変化を求められていると言っても過言ではない。戦後一貫して輸出産業に頼り切って来た経済構造からの転換を迫られている時代なのだから。

 昨日のNHKの緊急特番は、「雇用」を巡る討論番組であった。いわゆる「派遣切り」によって職を失い、住む場所すら奪われた人たちがごく短期間に急増し、大きな社会問題となったのは周知の通り。と同時に、彼らが次の職を求めてハローワークに通いつつも、製造業や事務などの人気職種を希望し、警備職や介護職などは相変わらず人手不足、という状況も無視は出来ない。

 こうした、いわゆる「雇用のミスマッチ」に関しては、「求職者はより好みをすべきでない、働けるだけでありがたいと思わなきゃ」との意見も多く、昨日のVTR を見る限りでは、私もそうした感想を持たざるを得なかった。たとえば、警備員の仕事が目の前にあるにもかかわらず、「希望する職種がない」とホームレスに陥ってしまう人もいるのではないだろうか。製造業の仕事を求め、昼間公園でパンを食べている元派遣社員の青年(と言っても30歳代)の姿を見て、そうした懸念を感じた。

 そうした「自己責任論」に反論する形で、「派遣村」で一躍有名になったNOP法人もやいの湯浅誠代表は発言した。「雇用のミスマッチの犯人探しをする時代は終わった。今後は、円滑な産業間の人材の移転を進めるため、政府がそれを支援すべきだ」と。確かに、一方的な雇用打ち切りで住む場所を追いやられたり、本来加入すべき社会保険に加入できていないなど、非正規雇用者に対するセーフティネットが敷かれていないことは大問題だ。悪徳事業者の摘発や、しかるべきセーフティネットの整備は、今後も大いに強化すべきであろう。

 しかしマクロ的に考えれば、今後も同じように製造業や事務職などの人気職種の募集が増えるなんてことはありえない。世界的な需要の減退、さらには円高(今までが円安すぎた、との指摘もあり)が当面続く中で、国内の製造拠点が閉鎖の動きがむしろ加速する一方だろう。事務職もしかり。IT化が浸透すれば省力化が進み、単純な入力業務は減り(海外にアウトソーシングしている企業もあり)、企業は付加価値を生む場所にのみ、人的資源を投入する動きが加速するだろう。

 政府の支援も必要かもしれない。しかし我々を取り巻く状況を踏まえれば、一番大切なのは一人ひとりが自ら「Change」することではないだろうか。「ルビコン河を渡る」覚悟をもって。

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2009年2月 7日 (土)

建設費用=資産価値?

 格安の売却価額が何かと物議をかもしている「かんぽの宿」問題。鳩山総務大臣も、そしてマスコミも、専ら建設費用に対して売却価格が安すぎる、という観点で物言いをつけている。しかし、こうした固定資産の売却価額については、今後いかにキャッシュを生むか、という観点から時価が算定されるのが、企業再生の現場では常識である。ましてや早期売却を図るバルクセールにおいては。

 といった疑問を持っていたところ、本日の日経新聞に同様のことが書いてあった。

「(前略)ホテルや旅館など事業用物件の価値は、そこから生み出される収益から割り出されるのが不動産取引の常識。お金をいくらつぎ込んだ施設でも、収益が上がらない物権の価値は高く上がらない。かんぽの宿では吹き抜けが多い設計を採用するなど豪華すぎるうえ、規模の割りに客室数が少なく、冷暖房効率も悪い。交通の便の悪い地方に採算を度外視してつくったため黒字は七十施設中、十一施設にとどまる。」と。

 果たして、売却を巡るやりとりが公正妥当だったか、という観点で今一度精査する必要はあるかもしれない。しかし、直感的に「安い」だけの感覚で、白紙撤回は短絡過ぎやしないか?景気の冷え込んだ今のご時勢、仮に売却先が見つからなければ、「安すぎる」どころか一円も手にすることは出来ない。仮にそうなっても、野党やマスコミは知らんぷりだろう。

「かんぽの宿」など79施設 譲渡遅れで膨らむ赤字

2月7日8時33分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090206-00000025-fsi-bus_all

日本郵政の宿泊施設「かんぽの宿」など79施設の一括売却が白紙撤回されれば、同社は経営上の負担を強いられる。「かんぽの宿」事業は年間40億~50億円規模の赤字を出しており、譲渡時期の遅れの分、赤字がたまっていくからだ。

 日本郵政グループの2009年3月期連結決算は4600億円の最終利益を予想するが、民営化前に策定した計画を9.4%下回る。経営効率化は不可避の課題だ。法律で「かんぽの宿」を譲渡か廃止をしなくてはならない期限は12年9月までだが、「持てば持つほど負担になる」(日本郵政の西川善文社長)という赤字体質が譲渡を急がせてきた。「かんぽの宿」の70施設のうち、黒字を確保しているのは有馬(兵庫県)や富田林(大阪府)など11施設のみ。しかも、譲渡には雇用の維持や事業継続性の配慮が必要で、「単純な土地、建物の売却ではない」(日本郵政幹部)という事情が入札をめぐる問題を複雑にした。

 今後、譲渡方法の練り直しも視野に入れる日本郵政だが、個別売却では売れ残りが発生する恐れや雇用条件で格差が生じかねない。赤字施設廃止に踏み切れば、従業員は郵便や簡保事業など畑違いの職場に行かねばならなくなる。黒字化には料金の値上げもありえるが、客足を遠ざける恐れがあり、抜本的な解決策を見付け出すのは至難の業だ。

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2009年2月 6日 (金)

ついにここまで来た、命名権(ネーミングライツ)

 度々このブログで批判している、命名権(ネーミングライツ)。今日のNHKニュースによると、ついに駅名に対しネーミングライツが適用されることとなった。九州の第三セクター鉄道である平成筑豊鉄道は駅名にネーミングライツを募集、1社がそれに応じ駅名が変わったという。

 チョット待て、と言いたい。いくら赤字経営だからといって、駅名を変えてしまうのはいかがなものか。駅名変更に伴う看板変更(当該駅、前後の駅)、切符売り場の表示、その他発行したもの諸々も変えるとなると、結構な金額になってしまうのではないだろうか。

 さらには、駅名は鉄道会社だけのものだけでもない。道路の標識や地図、さらにはネットでの路線検索でも活用される、きわめて公的な意味合いの高い名称である。自分の知らない間に駅名が変わってしまったら、想定以上に混乱する人もいるのではないだろうか。

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平成豊後鉄道HP
http://www.heichiku.net/p/modules/news/article.php?storyid=159

その一方、景気の悪化に伴い、ネーミングライツを募集したものの、手を挙げる企業がいない、または更新を見合わせる、という事態も出てきているらしい。

「命名権窮地 応募がない 企業が二の足、自治体消沈」
2月2日8時2分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090202-00000055-san-soci

 以前のブログでも書いたように、命名権を買い取った企業の不祥事も起こりうるわけで、短期的な収入増になっても、爆弾を抱えることとなる。

 という訳で、やっぱり変だぞネーミングライツ。

過去の関連記事。

「ネーミングライツ」

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_fcca.html

「ネーミングライツ反対論Ⅱ」

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_5908.html

「やっぱりダメ、ネーミングライツ」

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2009年2月 4日 (水)

ワークシェアリングに関する一抹の不安

 ここのところ毎日、例外なく報道される”派遣切り”など雇用問題。本日、トヨタグループが軒並み今期の赤字を発表、景気の大幅な悪化に伴い、正社員削減のニュースまで出始めている。行政は臨時職員への採用などで、少しでも雇用情勢の悪化を食い止めようとしているが、あくまで一時的な措置に過ぎない。むしろ、今まで敬遠され人手不足に悩まされていた産業に人材が流れつつあることが、”雇用のミスマッチ”解消の意味でも明るい話題といえるだろう。

 雇用問題を解決する処方箋として、ここに来てまた期待が高まっているのが、”ワークシェアリング”である。もちろん、失業にあえぐ人があふれる一方で、正社員はますます長時間労働に苦しむ、といった事態を解消するのであれば、ワークシェアリングは大いに意義あるものと考える。しかし、最終的には需要を創出し、利益を獲得する体質を作り上げなければ、”みんな貧しい”状態に陥ってしまうのではないか、という懸念が残る。

 現在、中小企業の支援に携わっている中で決算書を目にする機会が多い。人件費に目を遣ると従業員はおろか経営者でさえも、大企業のサラリーマンから比べたらはるかに少ない報酬でみんな頑張っている。それでも懸命に頑張る姿には感銘を受けるのは確かであるが、中小企業(+農林漁業者)の実態は、まさにワークシェアリングである。

 日本の一人当たりGNPは、世界で20位以下、先進国の中では下から数えた方が早い順位だと言う。現在の円高の状況(今までが安すぎた、これが正常値と言う人もいるが)では、ドル換算で相当盛り返したかもしれないが、少なくともワークシェアリングは、守りに入ってますます貧しくなるのではなく、みんなで力を十分に発揮しあい(安心して子供を生み育てられる社会をつくることも大切)、みんなで豊かな(経済的にも、精神的も)社会を作っていく、そのための制度導入であってもらいたい。

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2009年2月 3日 (火)

真の”経営力”が問われる時代がやってきた。

  昨日読んだ本は、野口悠紀雄の『世界経済危機 日本の罪と罰』。本日見たTV番組は、『NHKスペシャル 衝撃・世界自動車危機』。

 いずれも共通した認識であるのは、アメリカの過剰な消費(浪費)社会は間違いなく世界経済は大きな恩恵を与え続け、こと自動車を中心とした輸出産業が外貨を稼ぎ続けることで日本は大きな恩恵を受けて来た(それが末端まで行き渡ったかはともかく)。そして、そのアメリカのバブルがはじけたことが、世界を未曾有の大不況に陥れ、輸出産業に頼ってきた日本経済もその影響を大きく受けている、ということである。

 野口悠紀雄は指摘する。「日本は一貫してものづくり中心、輸出で外貨を稼いで来た、という点では、バブル崩壊後も産業構造は何ら転換していなかった。むしろ米国の異常な浪費の恩恵に預ったことで、むしろ産業構造の転換が遅れてしまった」、と。この指摘は大いにうなづけるものだ(後半の、「だから日本も高度な金融専門家の育成を急ぐべきだ」という指摘は首を傾げるが・・・)。

 NHKスペシャルは前半で、最終的にはバブル崩壊にまで至らしめた米国の行き過ぎた消費社会を支えたのは金融であったことを伝える。そして後半では、今までGMやトヨタの下請けとして恩恵を受け、今苦境に立たされている日米の自動車部品メーカーの経営的転換を伝える。いずれも方向性は違うが、トヨタ一辺倒、自動車一辺倒から脱却し、新たな事業の柱を打ち立てて行こうとする模様を伝えて番組は終了する。

 非常に生意気な言い方をさせてもらえれば、彼らはようやく「経営」の第一歩を踏み出した、と言えるのではないだろうか。なるほど、彼らは確かに良い製品を作り続けてきた。しかし彼らの繁栄はすべて親会社次第。自ら繁栄を切り開いてきたようで、実は親がコケれば自分の存在も危うくなる、非常に危うい経営基盤の中で事業を進めてきた。今まで、その危機が顕在しなかったから、ひたすら品質向上と効率化にさえ邁進していけば、事業は上手くいくように思えた。しかし、品質向上と効率化の徹底は、経営の必要条件であるかもしれないが、十分条件ではなかったのである。

 さて、日本経済に目を遣れば、我々の豊かな暮らしも、大雑把に言って”品質向上と効率化の徹底によるものづくり産業”が浪費大国アメリカからマネーを獲得して来たことで成り立ってきた。しかし、そのビジネスモデルではやっていけない時代が、今まさに始まっている。

 今や、日本という国全体が、真の”経営力”が問われる時代となった。リーマンショックは、その時代のカーテンを開けたと言っても過言ではない。我々は、かつて経験したことのない苦しみを乗り越え、新たな時代を切り拓くことが出来るのか?日本の底力が試される。私も、その一端を担うものとして、新たな時代に立ち向かって行きたい。

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