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2008年9月11日 (木)

戦略とは「やらないこと」を決めること

Windows Vistaの発売で、期待された特需が大空振りだったPC市場、もう市場は飽和してしまったのか・・・、との見方が蔓延しつつあった状況が、ここに来て新たな展開を見せている。

PC市場に新たな波を吹き込んでいるのは、”UMPC(またはネットブック)”と呼ばれる、5万円前後の小型ノートPCである。その先鞭をつけたのは、台湾のメーカー、ASUSTek社の”Eee PC”である。その後も、台湾メーカー、さらには米国大手のHPやDellまで参戦し、一躍熱い市場となっている。

ブーム、さらには市場拡大の兆しを見せるこれら製品群の特徴は、圧倒的な安さと軽さ(大半が1kg前後)である。着目すべきは、これまで必要と思われていた機能をバッサリ切り捨てていることだ。その最たるものが、CDドライブ・DVDドライブだ。これまでのノートPCは、どんなに小さくても、ドライブを装着するだけの容積を確保する必要があったが、その制約条件を取り払ってしまったことが、大きい。さらに、HDDよりもはるかに小型の記憶媒体であるフラッシュメモリの低価格化や、低価格タイプのCPU「Atom」の採用などの要素も、小型化・低価格化の実現を後押ししている。

そもそもノートPCは小型化ゆえに、「デスクトップより少し高いのもやむなし」と、大半のユーザーは思っていた。国内メーカーはそうした認識に乗じ、ブルーレイディスクドライブや地チデジチューナー、さらにはハイビジョン液晶など、ゴテゴテと機能の充実化を図り、ノートPCの高機能化に邁進していったように思う。

今回のUMPCブームは、まさにその逆を行っている。またしても、日本メーカーの「高機能化」=「ユーザーのニーズに適合」という思い込みが裏目に出た格好だ。よくよく考えてみると、いったいどれだけの日本人が、ノートPCで動画編集をしたり、15インチ液晶のPCでハイビジョン映像を堪能しよう、といったニーズを有していたのか?その大半は、インターネット閲覧、メールの送受信、あとはせいぜいエクセルとワード、といったところではないだろうか。

今回のUMPCが市場に受け入れられた大きな要因は、ノートPCに求められる機能を、必要にして十分なところまで絞込み、(少しではなく)圧倒的な低価格帯で市場投入したことである。ネットのある記事では、国内メーカーはこれまでの高価格帯PCの売り上げ減を恐れ、UMPC分野に踏み込むのをためらっている、ということが書いてあった。しかし、うかうかしていると、PCにそこまでの高機能を必要としていない大多数のユーザーを、海外メーカーによるUMPCにあっという間に奪われてしまうのではないか、そんな予感を強く感じる(ちなみに私も、すでにノートPCを保有していながらも、あるUMPCが強烈に欲しくなっている)。

”戦略においては、「やること」を決めること以上に、「やらないこと」を決めることが重要”との言葉を聞いたことがあるが、UMPCの急速な普及は、まさに「やらないこと(=用途と機能を絞り込むこと)」によって実現したといって良いだろう。

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