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2008年1月25日 (金)

オリジナリティとは

オリジナリティ(Originality)とは辞書によると、

①独創力[性];新奇性,

②本物[原物]であること

とある。とかく①の独自性とばかり解釈されるが、「オリジナル」とは”原型”の意味であることから、②の意味が本来の意味であると、どこかで読んだことがある。

本日、企業支援の関係で、初めて志摩半島に行った。”志摩スペイン村”の派手な看板と、人通りの少ない駅前の風景とのギャップが妙に印象に残った。スペイン村は、1994年の開業初年度は370万人を越える来場者数で黒字を実現したものの、翌年以降は赤字経営に陥り、近年の来場者数は半分以下の150万人~180万人で推移している。

 名古屋には、”イタリア村”がある。ここには、、ミケランジェロのダビデ像の”レプリカ”や、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の真実の口広場にある真実の口の”レプリカ”などが設置されている。開村当初は年間400万人に達した入場者も、2008年1月現在では半減し、運営会社の負債は約100億円に上っているらしい。現在はオリックス社等が支援の手を挙げている模様だ。オープンからわずか2年、凋落するには早すぎる。

 洞爺湖サミットで世界のVIPを招く北海道、ニュースでは”赤毛のアン”をテーマにした『カナディアンワールド公園』を有している芦別市が、カナダ元首の来訪を心待ちにしているらしい。ここに至っては、かつては”カナディアンワールド”というテーマパークであったが、赤字続きのため1997年10月をもって閉園。その後、芦別市が施設を再利用する形で、無料の市民公園として再出発させているとのこと。ちなみに運営会社であった第三セクター「星の降る里芦別」は、2007年6月に破綻している。地元の人はこのような状況を皮肉って『赤字のアン』といっているらしい。http://www.momonga.gr.jp/etsuko/Canada/whatc.html

 それはさておき、これら施設に私はどうにも拭いきれない違和感がある。そしてその違和感と、業績の不振とは強い相関関係があるように思える。その違和感とは、地元の文化とは全く関係ない、「ツギハギ」の文化を無理やり持ち込んだことである。そこには日本における”新規性”はあっても、真の意味での”オリジナリティ”はないからである。そもそも、イタリア、スペイン、カナダが本当に好きな人は、現地に飛んでいるはずだ。

 逆に、黒川温泉や日間賀島などは、真の意味での”オリジナリティ”を追及した成功例であるといえる。黒川温泉は温泉と木々、日間賀島は海とタコやフグなど海の幸である。いずれもその地域に深く根ざしている良さを、"明確な意図"を持って存分に引き出すことで、真の”オリジナリティ”を獲得し、訪れる人に深い満足を提供し、リピート化を促している。

 冒頭で志摩を悪く言ってしまったが、本日、志摩の伝統息づく、本来の魅力を域外に再発信する”タネ”に、本日出会った。なんとかこれを支援して、オリジナリティ溢れる地域を一つ一つ増やしていく、そのお手伝いをしてゆきたい、帰りの電車の中で改めてそのことを強く思った日であった。

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豊富な湯に肩まで浸かり、木々を眺め、風を感じ、月を愛でる。満足度が違う、ここはやすらぎのユートピア黒川温泉 [続きを読む]

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