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2007年11月17日 (土)

ばれるような嘘をつくな

今年の流行語大賞にエントリーされた「KY(空気読め)」。何でもかんでも周りの顔色ばかりうかがっているのはいかがなものかとは思うが、自分の行なった行為に対し、周りがどういったりアクションを取るのか、わかった上で行動することは重要なことだと思う。

そういった意味で、非常にみっともないのが船場吉兆。「期限延長は従業員が勝手にやった」、「地鶏表示は納入業者に騙された」、いずれも裏を取ってみたら経営陣主導であったことが、即ばれてしまった。経営陣は、ごまかせるとでも思ったのか?苦し紛れの言い訳が嘘だと後になって判明するということが、今の世の中どれだけ企業の信頼を失墜させるか、これだけ世間が騒がれても解ってない。いかに今まで、自分たちが中心の狭い世界の中で生きてきたのか、うかがい知ることができる。

特にこの経営陣の、世間ずれが甚だしくみっともないと思うのは、「従業員は忠誠心があるから、会社にとって都合の悪いことは、うまくごまかしてくれる、上司・経営陣のために現場は泥をかぶってくれる」、と信じていることである。終身雇用が保証されていたひと昔前なら、それもあり得たかもしれない。しかし、少なくとも若い世代は、もはや終身雇用の保証など会社に期待もしていなければ、会社の価値観に染まりきるようなことはしないのである。

社命とは言え世の中のルールを逸脱した行為を行なう事に対し、後ろめたさを誰もが持っている。それに対し「No」と言える世の中になってきた、という点では、良い方向に進みつつある、と言ってよい。

2007年11月10日 (土)

適正価格って?

またまたNOVAの話題で申し訳ない。

結局のところ、常に新規加入者が続かないとキャッシュアウトでジ・エンドというのがNOVAのビジネスモデルだったようだ。派手な広告宣伝と大幅な割安価格で長期加入者をおびき寄せ、先にキャッシュを確保、得たキャッシュで新規出店、そして派手な広告・・・。よく考えてみれば納得なのだが、負債の大半が生徒からの前払金というバランスシートが、それを如実に表している。さらにNOVAが特殊なのは、固定負債(期限が一年以上の負債)も相当額ある、ということだ。

今日の日経にも特集記事があったが、英会話学校の業界全体がNOVAの価格破壊に引きずられるように授業料を安く設定し、強引な勧誘行為や退会を巡るトラブルの発生などを、業界全体で引き起こしていたという負の面があったことは否定できない。さらに今回の事件で、業界全体のイメージダウンも必至だ。

猿橋元社長の当初の思いであった「映画を見る値段で英会話スクールを」というビジネスモデルは、長期的にはどこかで行き詰まる構造になっていったのである。結局のところ、そのビジネスモデルを超えた新たなビジョンは猿橋氏にはなく、経営者としての賞味期限が切れていた、ということだろう。

こうして考えると、果たしてNOVAの打ち出した価格は果たして「適正価格」といえたのか?「安ければそれでいい」と消費者は考える。ただし、講師という人間が主体のビジネス、ましてや少人数制レッスンが主流となれば、収益性が悪化するのは必至である。いくら消費者主体といっても、供給者側にも生計を成り立たせる人がいる以上、やはりそれなりの「適正価格」は存在する、と考えなければならない。

(ちなみにかつて私が通っていたのは、業界では割高なベ○リッツ。ここは適正価格であった、と信じたい。)

今日のNHKでは、取引単価の引下げと原油高に悩む中小企業の話をやっていた。ここでも真剣に考えるべきは「適正価格」である。運送会社の単価をむやみに引き下げれば、そのしわ寄せは運転手に行く。結果、彼らの生活は困窮し、さらに疲労困憊すれば悲惨な事故も時期起こす。最近、観光バスでの悲惨な事故が増えつつある背景も、同様の事情によるものだろう。大企業は、「自社だけが儲かればよい」と、中小企業をいじめることで繁栄を謳歌するのではなく、安心・安全な社会を保つ社会的責任、という広い視野で考え、「適正価格」による取引を行なうことについて、真剣に考えるべきだろう。また、何でもかんでも市場万能・自由放任ではなく、行政による一定の統制というのを、私は必要であると考える。

2007年11月 1日 (木)

NOVA、最悪の経営者Ⅱ

まあ、出るは出るはNOVA元社長の猿橋望氏による会社私物化。会社のモノが俺のモノ。お前はジャイアンか!

豪華絢爛な社長室、二期連続赤字でも億単位の報酬、個人会社を介しての不当利得獲得・・・

保全管理人はスポンサー獲得のため経済産業省に支援を求め、外国人講師は大使館や大阪市役所に助けを求める・・・。

しかし非情な自由競争社会、特定の企業に対してお上が支援するわけにはいかず。傷口が浅いうちに再建に乗り出すための法律が会社更生法であり民事再生法なのだが、いかんせん経営者が悪質すぎた。

それにしても、である。非情な自由競争社会において健全性を保つための仕組みが株式市場であり、ガバナンス(内部統制)であったはず。ところが、このように悪質な経営者に対しガバナンスが十分に(というかまったく)機能しなかった、そうした市場経済における制度上の不備・不十分さについてのマスコミの報道はまったく目にしない。

規模の大きな会社において特定個人(特に経営者)が暴走すると社会的影響が大きいため、それをけん制するための仕組みが二重三重に張り巡らしてある。特に不特定多数から出資を募る上場企業については、さらにその仕組みが堅固になる。まずは取締役会、そして監査役による内部監査、さらには金融機関や監査法人など外部機関、そして株主総会である。ところが、NOVAにおいては超ワンマン社長なので取締役は逆らえず(2005年に、唯一物申すことができる年長の取締役が他界し、歯止めがかからなくなったらしい)、内部監査役もただのお飾り。監査法人にいたっては上場以来面倒を見ていた大手監査法人は2006年度の中間期に愛想を尽かし(?)契約解除(公式理由は業務量増加を理由に辞任(あずさ監査法人)、後任はアクティブ監査法人)。

負債が600億ということで気になって今期第一四半期の貸借対照表を見ていた、金融機関からの借入は負債の1割程度、長期借入金に至っては負債の1%程度だ。猿橋社長(当時)の横柄ぶりに何度もメインバンクは交代したというが、財務諸表を見る限り金融機関、少なくとも銀行はさっさと見切りをつけていたことがよくわかる。

そして2007年6月に開催された株主総会において「ワンマン経営でこのままいったらつぶれる。辞めたらどうか」との株主の発言に、猿橋社長(当時)は「私が辞めたら会社が崩壊してしまう」と反論し、総会を乗り切ってしまう。

同日に外部有識者によって設置された「経営改革委員会」においては「設置後1ヶ月を目処に、現状や原因の分析についての中間報告を行い、2ヶ月を目処に、最終的な報告を行うことを予定」していたが、何の報告もなされいまま経営破綻に至ってしまった。10月29日の報道によると、「猿橋氏は改革委に対して自己の正当性ばかり主張したため、改革委は「経営再建の障害になる」として退任やむなしの判断に向かったという。そして猿橋氏ひとりの抵抗で会社更生法適用の申請が遅れ、再建がより困難になったと指摘しており、他に耳を貸さない独善ぶりが同社の経営難を深刻化させたことがより明白になった。」とのこと。結果、他の取締役による代表取締役の解任、という形で会社更正法の申し立てに至ったわけだが、遅きに失したという感は否めない。社員の給与を支払えなければもう会社はアウト、8月における賞与の支払い遅延の時点でジ・エンドとなるべきであった。

いずれにせよ、まずは一日も早く猿橋元社長を法廷に連れ出し、犯した罪にふさわしい罰に服させることを願う。しかし、一人の悪人をさばくだけで解決としてはならない。ここでは被害者の救済、とは敢えて言わない。これは非情にも自己責任の市場経済だから。そうではなく、こうした特定個人の暴走が未然に防止されるよう、市場が健全に機能する制度のあり方を、関係機関は追及してもらいたい。そしてそれに関して、しっかり報道せよマスコミ!被害者ゼロの表示ごまかし事件なんか大々的に報道する暇があるのなら。

英国の大宰相チャーチルは言った。「民主主義は最悪の政治であるが、今まで存在したいかなる政治制度よりマシである」と。同様に、「資本主義は最悪の制度ではあるが、今まで存在したいかなる経済制度よりマシである」ためにも、健全に機能することを切に願う。

11/9 追記

その後、このような事態を引き起こしてしまった(見逃してしまった)会計監査制度そのものの不備について書いてあるブログを探したが、ほとんどが単にニュース記事のコピペ。問題提起をはっきりし示しているのは、このブログくらい。経営者の暴走を防ぐ教訓は、今回の事件から果たして得られるのか???

http://plaza.rakuten.co.jp/godlove/diary/20071031/

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