繁盛店に頼るな!
「繁盛店に頼るな」
これは以前、スーパーマーケットを始めとしたチェーンストア企業に勤めていた際、社長が言っていた言葉である。最近読んだ、サトーカメラの佐藤勝人氏も、著書で同様の趣旨のことを言っている。いずれも、地域における多店舗展開の要諦として、個店単位での一人勝ちを目指すのではなく、企業としてその地域のシェアを高めることの重要性を説いている。同時に、繁盛店の成功で喜んでいると、繁盛店=すべての点でお手本といった成功体験の固定化を招いてしまう危険性も指摘している。また、繁盛店が利益を出していることによって、問題を本質を見えにくくし、危険な兆候を見逃してしまうという点でも、繁盛店の成功に溺れてしまうのは、経営においては大いに戒めなければならない。
さて、プロ野球界における繁盛店とは、何と言ってもスター選手である。今年、清原・松坂といったスター選手を輩出してきた西武ライオンズが、25年ぶりにBクラスに転落したばかりか、観客動員数でもパ・リーグ最下位に転落した、という記事を目にした。西武ライオンズの観客動員数における凋落は、まさに「繁盛店頼み」であった経営に問題があったのだろう。繁盛店=スター選手がいることで、真剣にファンサービスや顧客開拓の努力をしなくても、結果がそこそこついてきてしまう。その取組みの甘さが、今日の結果を招いたのは間違いないだろう。ちなみに。新庄・小笠原の去った日ハムは、成績の点のみならず、観客動員の点でも昨年から落ち込まなかった(昨年は68試合で約160万人、今年は72試合で約180万人だそうだ)。繁盛店に頼らない、本当の意味でのサービス・顧客開拓のあり方を考えるヒントが、日ハムと(反面教師として)西武にありそうだ。
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