どうなる?!ホワイトカラー
昨日のNHKスペシャルにて、ホワイトカラー業務の中国移転が進行しつつある、というテーマが取り上げられてきた。もはや製造部門のみならず、日本語と言う壁に守られ聖域であったホワイトカラーの業務にも、グローバルスタンダードの波が押し寄せてきた、というわけだ。これを実現可能としたのは、インターネットによって地理的な壁がなくなったこと、そして中国(特に旧満州)において日本語が達者な人が増えてきた(増やしてきた)ことにある。
その主たる目的は、もちろん労務費の差によるコストダウンであるが、私はむしろ、業務引継ぎに伴う仕事の棚卸とマニュアル化が肝である、と感じた。ホワイトカラーの仕事(番組では最も外注がなじまないと見られている総務が取上げられていた)は、とかく諸々の業務が混在し、各々の仕事が個人の裁量によって進められ、一見「その人しかできない」仕事と化してしまう。しかし、業務を他の人に引き継ぐ、ということが決まれば、自ずからそれを客観的な資料、つまりマニュアル化せざるを得ない。そしてマニュアル化してみると、「自分しかできない」ような仕事は実は少なく、その大半が他人へ置き換え可能な仕事であることが気づかせられることになる。また、他人に業務を移行させる過程を経ること、今までその都度裁量に基づき判断されたり、ルールが曖昧だったり徹底されなかったことから生じるムダが排除される、といった効果も実現される(実際番組では、担当者・事業所によってバラバラだった経理処理が、中国への外注化によって統一され、また身内同士による甘え・ミスの許容がなくなり、大幅な効率化が実現できたという)。
「決定で会社は儲かる」などの著書がベストセラーとなった小山昇社長は、自社において社員を特定業務に固定化させず3年に一度は異動させ、引継ぎ業務を通じて業務のマニュアル化をさせているというが、これも同様の狙いがあるからだろう。いずれのケースも、今後企業が生き残っていくためには、企業は意図的に変化を作り出し、業務をゼロベースから見直すきっかけを作り出していくことが不可欠である、ということが学び取れる。
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