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2007年9月16日 (日)

感性は天性?

最近、黒川温泉を再生した後藤哲也氏の書籍、『黒川温泉のドン 後藤哲也の「再生」の法則』を読んだ。著者は、黒川で事業を営む温泉旅館の長男として生まれ後を継いた訳だが、年々寂れてゆく黒川を、日本一の温泉名所にまで育て上げた男である。

この本を読んで特に感銘を受けたのは、以下の点。

・鑑識眼・感性(センス)を磨くには、弛まぬ努力・勉強が必要。

 著者は毎年京都・軽井沢を訪問、由布院や飛騨高山などへも足しげく通い、『定点観測』をすることで、黒川をどうすべきか、観光地に訪れる顧客は何を求めているのか、を考え続けた。感性はこうした活動と考察の積み重ねによって養われたわけであり、決してセンスは天賦の才能ではない。顧客の視点で考えるから、まったくタイプの違う観光名所であるディズニーランドがなぜ顧客に支持され続けているか、その本質も彼は的確に把握することができる。

・「全体」がどうあるべきかを定め、その上で細部に徹底的にこだわる。

 一部の乱れが全体の価値を大きく損ねることを、熟知している。

・抵抗勢力を説得しても、彼らの考えを変えられない。実績でわからせるしかない。

 業界が違えど、再生には抵抗勢力が付きまとう。それをどう克服するか、重要な示唆を与えてくれる。「忍耐、そして忍耐」、「出番は必ず訪れる」という言葉も印象に残った。

・あるべき姿は、自然にできるのではない、つくるものである。

 演出し、本物らしくみせることが大切。これは黒澤明の映画づくりにも相通じる。黒澤は、花畑のシーンにおいて、花畑を見つけてそこで撮影するのではなく、トラック一杯に花を持ち込み、とにかく植えまくったらしい。なりゆきまかせではなく、手をかけて”あるべき姿”を作り出す、それが顧客の心をとらえるのである。

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